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コンサルティングの現場から

シェアハウスから見る居酒屋仮説

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都内の20代の人たちの話を聞くと、住居の選択肢は「実家、一人暮らし、シェアハウス」の三択になっている印象である。いくつかの統計によるとここ10年くらいでかなりシェアハウスはの数を増えているようである。(ただしこの統計ややや心許ないものが多い。)

 

このシェアハウスであるが、私は「コスト重視型」と「コミュニティ重視型」の二つに大きくは分類できると思っている。前者はトイレや風呂や玄関といった機能を共用化することでコストを下げ、結果的に一人暮らしよりも安い家賃を実現しそれを売りとしているようなものである。一方で後者は賃料に関しては必ずしも低くはないがリビングなどのコミュニティスペースを重視しかつ入居者とシェアハウスのコンセプトの相性もある程度審査するようなものである。おそらく数としては圧倒的に前者の方が多いとは考えられるが、流行の感度の高い地域では後者も増えていると考えられる。

 

もちろん絶対数としてはこのようなタイプのシェアハウスは微々たるものであり、かつ都市部の所得が高い地域が中心の動きではあると見られるが、この背景には家族を代替するようなコミュニティへのニーズが高まっていると理解している。単身者世帯が増えたり、拡大家族の減少により、学校や職場以外に緩やかに顔なじみと交流するような場を欲していることが根底にはあるのではないだろうか。

 

もし仮にこのような考えが正しいとするとシェアハウス以外にも外食企業もまたこのようなニーズをとらえる機会はあると思っている。イギリスで言えば「街のパブ」があるように、比較的安価で行けば馴染みの店員と常連客と何となく話せるような、そんな飲食店のニーズは今後増えるのではないだろうか。もちろん日本にも居酒屋文化はあり、既に上述のような機能を果たしている店もあるだろう。しかしこれらは個人で経営されているような店舗が多い印象があるが、今後このような需要が高まるとするとより商業化し拡大しやすいような業態が出てもおかしくのではないかと思っている。

 

例えばFC方式ではあるものの店の名前はもちろんフランチャイジーが決められ、かつメニュー、料理、内外装などはいくつかの選択肢から選べるような自由度を与え、また出店時には内外装工事、什器の手配などを、開業後は決済、仕入れ、収益管理などのサービスをパッケージ化して提供するようなタイプの業態である。このような方式だと一見するとそれぞれの店舗は全く似ておらず、またオーナー(兼マスター)に一定の自由度が与えられるが、仕入れなどはレバレッジが効くため拡大しやすいというメリットも生まれるだろう。

 

ここまでで店舗間での違いを出さずに従来型のチェーン方式にしたとしても「街の居酒屋」というコンセプトの元に店員と顧客との間、あるいは顧客間でもコミュニケーションを促進するような工夫を凝らした業態があってもおかしくのではないかと考えている。

 

当たり前ではあるが人は(原則として)夕食を食べる。また人は本質的にはコミュニケーションをしたい性質がある。そのため単身者世帯が増えたらこのようなコンセプトの店が増えてる余地はあるのではないかと思うのである。