トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

コンサルの専門性問題

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コンサルティングファームではマネージャー以上くらいになるとある程度機能知見・業界知見を持つことが求められる。(コンサルティング業界全体が成熟しているアメリカやドイツではアソシエイトの後半には求められることが多い。)やはりジェネラルプロブレムソルビングを軸にしたコンサルティングでは戦略コンサルティングファームの単価は正当化されることはなく、一定の専門性がファームとして有し、それを提供する必要がある。

 

もちろんこれはファームとして実現すればよく、基本的にはパートナー以上がそれを担うことになるがそのための「見習い期間」としてマネージャーくらいには一定の専門性(の萌芽)を持っておくことが求められる。ただ一方で中途組なら入社してから3年程度で、新卒組なら6年程度で専門性が求められると困る人が多い。特に新卒組はコンサルティングの経験しかない中で特定の業界なりテーマで知見を持つことが難しいと感じるのである。

 

このような課題に対しては直接的な解はないがいくつか考えるべきことはあると思っている。

 

一つ目はある程度需要のある業界・テーマの選択は必須である。いくらスポーツビジネスの戦略について詳しかったとしても(今の日本においては)そのようなテーマが飯の種になる可能性は極めて低い。そのためある程度需要のある業界・テーマを選定することは戦略的に必要である。

 

一方でこのブログでは何度も述べている通り、やはり自分に情熱が感じられることである必要はある。もしも上記のそれなりに需要にあるテーマで一つも情熱を持てなかったとするならばファームにいる意味はあまりなく他の機会を探すべきだろう。(ただし真剣に考えれば多くの場合は何かは見つかる。)需要があるから、だけでなく真に自分が情熱を持てることに取り組むべきである。

 

次に「業界での実務経験がないから」というのは特に新卒組は言い訳にするべきではない。確かに医療分野や通信技術や半導体といった専門性の高い分野では前職での業界経験があった方がやりやすい面はあるが、中途組であっても前職とは無関係なことをその後、専門にしている人も多いのである。中途組といってもせいぜい業界経験は3-10年程度しかないのであり、パートナーになる頃にはむしろコンサルティング業界歴の方が長くなるのであり、業界経験がないことは過度に心配する必要はないのである。結局のところは基本的には専門性はコンサルティングファームに入ってからのプロジェクトやそれ以外の活動を通じて身につけていくものなのである。

 

ただしプロジェクトだけこなしていればいいわけではなく、自分が情熱を感じられるものに関しては常日頃から自分で考え、多少粗くても自分の意見を構築する習慣を身につけるべきなのである。以前にも書いた通り有名な経営学者もその理論の基礎は20代で構築したものであり、経験不足は言い訳にするべきではないのである。

 

専門性を身につけるのは簡単ではないがだからこそ戦略的に考える必要がある。情熱と現実のバランスをとりながら領域を決めて、その上で努力をするしかないのである。