トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

創業時の幽体離脱

スポンサーリンク

プライベートでも何人かの起業家と付き合いがあり、横目で彼ら・彼女らを見ていると素朴な感想として事業を立ち上げるのはとてつもなく大変なこと(そして尊いこと)だと思える。そして多くの場合、後で振り返ると創業時に思い描いていた事業と実際に軌道に乗った事業には大きな差がある。また資金調達が異様にしやすい昨今の環境とはいえ、やはり現実的な問題として「日銭を稼ぐ」事業を持つ必要もある。

 

そのためいくら頭では経営リソースを絞ることが重要であることは理解していても結局のところ創業時には取り組む事業が取っ散らかる場合が多いように思える。ちょうどエントロピー増大の法則のような力学が働くのである。結局は事業をやるというのはそういうことなのだろう。(もちろん最初から創業時のアイディアをそのまま実行しているようなスタートアップもあることは理解している。)

 

そのため創業時には一定程度「ジタバタする期間」というものを覚悟し、それを受け入れることが必要であると思っている。ただ一方でそのような状況の中でも経営者は頭の片隅で①今はその期間であるということを理解すること、②概念的に事業の位置づけ(日銭稼ぎか、今後数年の主力事業か、より長期的なホームラン狙いか、など)を理解しておくこと、③事業共通のコンセプトが何かを考え続けること、は必要であると考えている。

 

①、②はそのままの意味ある。③を補足する。いくら事業が取っ散らかったとしてもやはり当社が取り組む理由というものは明確にする必要がある。いくら日銭稼ぎであっても何でもいいわけではなく、何か必ず当社の創業時のコンセプトに関連するものに取り組む必要がある。そうしないと文字通りただのアルバイトになってしまうし、また社員の熱も冷めてしまうリスクが高いように見える。

 

創業時には混乱はつきものだがその中でも経営者として幽体離脱しながら自分の環境を眺める必要があるのではないかと考えている。