トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

粒度

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よく言われている通り日本の多くの産業は低成長に直面している。日本全体のGDPの成長率は概ね1%未満であり、国全体としては殆ど成長していないといえるだろう。そして主要な産業も同様である。しかし産業が低成長=個別企業が低成長なのかというと必ずしもそうではない。例えばアパレル業界などは業界全体としては縮小しているがファーストリテイリングユナイテッドアローズアダストリアなどといった企業は10年、20年単位では市場全体は縮小する中で大きく伸びているのである。これは結局のところここ10-20年くらいはいわゆるSPAのブランドが百貨店ブランドからシェアを奪い続けてきた歴史と言えるだろう。

 

株価をみても日経平均自体は長期的には殆ど上がっていない(期間の取り方によっては大きく下がっている)が、個別企業の株価を見ると半分くらいは上昇しているのである。これは要するに大企業の株価が下がり、中小企業の株価が上がり、加重平均すると株価が下がっているのである。

 

いずれの例も全体としては横ばいであったとしても、そのユニバースの中では新陳代謝が生じており一部の古い企業が停滞し、変わって新しい企業が伸びているのである。何が言いたいのかというと正しい粒度で物事を見ないと誤った結論に陥ってしまうのである。企業の中でも同様であり、特定事業の売上高が減少していたとしても、より細かな粒度で分析をすると、大きく伸びており正しく投資をすればさらに伸びる製品もあれば、その逆もあるのである。ここまでの粒度にせずに全体だけを見ると事業機会を見失ってしまうのである。

 

全体像を見ることは大事である。まずはそれを見るべきである。しかし必要に応じて粒度を調整することを意識するべきなのである。