トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

コンサルティングフィー体系

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伝統的には経営コンサルティングの報酬は固定であった。同じプロフェッショナルファームであっても投資銀行やローファームなどは異なる報酬体系を採っている場合もある中で伝統的に固定的であった背景を私なりに推測すると「経営コンサルティングはビジネスとしてやっているのではなく儲ける必要はない。あくまでもプロフェッショナルへの給与を賄える分だけを報酬として貰えれば良くそれはコミットしたプロフェッショナルたちのパーディアムと時間で決まる」という考えがあると理解している。またその背景には「結果は必ず出すために成果報酬という形で成果に連動させる必要はない。逆に成果が大きいと必要以上に報酬が大きくなってしまう」という矜恃もあるのだろう。

 

ただしこれはあくまでも伝統的な考え方であり、昨今はその様子は変わってきている印象である。そしてその報酬体系はより多様化してきていると理解している。具体的には成果連動型、あるいは株式的な性質のある報酬(以下ではこれらをまとめてエクイティ型報酬と呼ぶことにする)に変わってきているように思える。ただしこれにもいくつかの段階があると思っている。具体的には下記のような段階である。

 

①固定報酬
②成果連動型報酬(特定事業の業績連動型)
③成果連動型報酬(全社の業績連動型)
④擬似株式受取型報酬
⑤株式受取型報酬
⑥株式取得型報酬

 

①、②、③は文字通りである。④番目は(概念的には)擬似的な株式を受け取り配当の形でリターンを得るようなイメージである。またPEファンドなどに対しては擬似的なLPとなる、といった方式もこの分類になるだろう。⑤番目は報酬として現金ではなく株式(ないしストックオプション)を受け取る形でベンチャー企業にサーブする場合に親和性が高いスキームとなる。そして⑤番目はファームが実際にキャッシュを入れて株式を取得する、という方式である。

 

これらの分類はいずれも概念的ではあるが、現実としても私が把握している範囲では①〜⑥までのスキームはいくつかのファームでは実際に運用されていると理解している。特に⑥番目は実質はコンサルティングを重視したPEファンドと同じであると考えられ(正確にはPIPESが一番近いといえるだろう)、もはやコンサルティングファーム とは言えないと考えることもできる。コンサルティングファームから派生したPEファンドも存在していることを考えても、やはりPEファンドとコンサルティングの間には一定の親和性があるといえるだろう。

 

私自身も非伝統的な報酬に関する議論を経営コンサルティングの現場で携わっていると、やはり圧倒的にエクイティ型報酬はクライアントから見てフェアに映るのである。エクイティ型報酬はy=axの性質、平たく言えば「成果が出れば報酬もそれに応じて払うし、逆に成果が出なければ報酬は払わない」という性質のものであり、クライアント企業からするとダウンサイドがコミュニケーションコスト・導入コストを除いてはないため極めて受け入れやすいのである。そのため個人的な感覚としてはこの方向に業界は動くだろうと考えている。もちろん伝統的な社長のカウンセリング型のプロジェクトなどは固定報酬で残るとは思うが、長期的にはエクイティ型報酬の割合は増えてくると考えている。