トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

企業を理解するための3つのレンズ

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企業を理解するためにはその目的に応じて様々なアプローチがある。事業競争力を理解するという目的においては事業立地、デリバリーモデル、オペレーションの三つのレンズで捉えるのがいいと私は考えている。最初の二つは戦略のWhereとHowであり、後者は文字通り戦略をいかに上手く実行するのか、と言い換えることができる。

 

事業立地はそのままである。このブログの最初のエントリである「清宮幸太郎氏はラグビーではなく野球を選択した」といった話に通じるものがある。事業立地がそもそも厳しければ、デリバリーモデルとオペレーションをどんなに頑張ってもなかなか超過収益を上げられない(ことが多い)。事業立地の選択は戦略的には極めて重要なのである。

 

二つめは戦略のHowに合致するところであり、これは戦略変数の組み合わせと言える。例えば飲食店において都市圏で高級フレンチを選択するのか地方で庶民的な海鮮居酒屋を選択するのかは事業立地の範囲である。一方でデリバリーモデルは地方で海鮮居酒屋を提供するためのデリバリーモデルは席数、店舗立地、メニュー数、セントラルキッチンを使うか否か、といった(事業立地以外の)戦略変数の決定を行う必要がある。これは一度決めるとなかなか変更が効かないため事業立地同様に慎重な判断が必要である。

 

三つめのオペレーションは選択した事業立地において構築したデリバリーモデルをいかに上手く実行するのか、という要素である。全く同じ業界で全く同じデリバリーモデルを選択していても利益率が10%を超える企業もあれば赤字の会社もある。これは実行力の差と言える。外形的には人時生産性、収益性、などのオペレーションおよび財務指標で比較で把握することができる。しかしこれはあくまでも結果でありより重要なのはその要因である。これは企業文化であったり、KPI管理の徹底であったり、人事システムであったり、独自の改善プログラムであったり、様々な要因が考えられるが大半の場合、何かしらの戦略(事業立地とデリバリーモデル)と整合した仕組み(英語で言えばenabler)が導入されていると考えるべきである。ここでの仕組みとはデリバリーモデルそのものではなくそれを上手く実行するための工夫であると言えるだろう。

 

冒頭に述べた通りこの三つの視点はあくまでも事業競争力を見るための一つの手段に過ぎない。しかしこの三つは比較的汎用性があるため、何かしらの企業を理解していときはこの三つの視点で見てみるといいだろう。