トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

格闘技ビジネス

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あまり「女子ウケ」する話ではないが、私は20代後半からボクシングを始めたこともあり総合格闘技を観る。観ると言ってもUFCと呼ばれるアメリカの総合格闘技の団体の試合をスマホで視聴する程度であり、年に一度くらい日本で実施される試合などは観ることはないためライトファンであると認識している。とはいえ1-2週間に一度くらいの頻度で実施されるイベントを週末に観るのは一つの楽しみにはなっている。

 

このUFCを観るようになってからは感じることとして、そのエンターテインメントビジネスとしての完成度が高いことに感心する。

 

まず一つ目は純粋なエンターテインメントとして良く出来ているのである。競技という観点では総合格闘技はボクシング出身者、柔術出身者、キックボクシング出身者、レスリング出身者、空手出身者など様々なバックグラウンドを持った選手達がそれぞれのスタイルで臨むため相性のようなものが存在し、なかなか絶対的なチャンピオンが生まれにくい構造になっている。

 

また解説なども日本の格闘技で有りがちな個人のドラマなどにはほとんど触れずに、純粋に選手としてのパフォーマンスについて述べることに終始しておりそれゆえに変にチープな演出などもなく純粋なスポーツとして楽しめる。加えて解説者も(おそらく意識的に)選手の欠点や批判などのネガティブなコメントは余程のことがない限りせずに、あくまでもポジティブに選手の巧さを称えていることが多いため聴き心地がいい。その他にも名物のリングアナウンサーのマイクパフォーマンスも非常にエンターテインメントとしての完成度が高くクセになるものがある。

 

運用の仕組みも感心できる。世界中の総合格闘技団体とパートナーシップを組んでおり、ローカルで実績を上げた選手がUFCに参入するというような構造が出来上がっているためレベルも極めて高くなる。また(私は観ることはないが)いわゆるリアリティ番組の一環としてトーナメントを実施し選手を育成するというようなことも実施している。

 

このようにエンターテインメントとしての完成度が高いが加えてビジネスとしても良くできている。基本的にはスマホのアプリで月額2,000円程度で過去の試合(含むパートナーシップを組んでいる団体の試合)とライブ配信が見放題という仕組みである。ただしチャンピオンを決めるような人気カードであればリリース後1ヶ月以内に見たいのであれば追加で2500-3500円程度払わないといけない仕組みになっている(いわゆるPPV, Pay Per Viewの仕組みである)。価格帯も中解像度と高解像度の二種類に分けている。これらは典型的なWillingness to Payの高い顧客からはしっかりと課金をするという仕組みになっている。こういった細かいところできっちりしているのはさすがだと思っている。

 

実際にUFCを運営する会社の売上高は1,000億円程度はある模様であり2000年頃にできた新興の団体としてはかなりの実績であると言えるだろう。しばらく前にはこの運営団体は4000億円程度(ユニコーン4頭分!)で買収されておりこれもビジネスとしては成功したと言っていいだろう。パッとググった限り巨人の売上高が200億円程度、NPBで1,800億円程度であることに鑑みるとかなりの実績と言えるだろう。

 

UFCは競技としての完成度とビジネスとしての完成度、その両面で成功しているのではないかと思っている。