トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

(相対的)価値創造をする管理部門

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企業の部門は大雑把に管理部門と事業部門に分けられる。前者はコストセンターであり後者はプロフィットセンターであると見ることができる。会社によっては管理部門が活動ごとに事業部門に社内請求することで全て管理部門もプロフィットセンターとしている位置付けている場合もあるが、外部の顧客からの対価を得ていない以上はやはり本質的にはやはりコストセンターだと見るのが自然であると言えるだろう。

 

一旦、管理部門をコストセンターとしたときに管理部門の価値は幾つかの観点で見ることができるが、そのうちの一つに「相対的な利益を生み出す機能」と見ることもできるのではないかと考えている。管理部門は営業機能を持たない以上、絶対的な価値つまり利益を生み出すことはできない。しかし、本来ならば「価値破壊行為」が行われる予定であった活動をなくすことで「相対的な価値創造」そすることができるという見方もあると考えている。(ここでの価値破壊・価値創造とはこのブログでも何回か述べているエコノミックプロフィット《商標登録されているEVA》のことである。価値創造するためには単に利益を上げるだけでは不十分であり資本コストを上回る投下資本収益率を上げる必要がある。)

 

コーポレートファイナンス原理主義的には企業は価値創造をすることで長期的な企業価値を最大化するために存在していると見ることができ、わざわざ好き好んで価値破壊をすることなど本来はない。しかし現実には事業部門だけに事業運営を任せると案外多くの価値破壊行為を行いがちである。特に日本企業は全体としてみると明らかに価値破壊を毎年行っているような不採算部門を米国企業よりも多く有しており、その観点ではより管理部門が「相対的な価値創造」をできる余地があると思っている。分かりやすいのは不採算事業から撤退し投下されていた経営資源を他の価値創造部門に投入することである。他にも明らかに価値創造が期待できない見込みのプロジェクトなどを食い止めるといったことも挙げられる。

 

一般論としては管理部門は最小化されるべきであり事業部門の活動に介入するべきではない。何でもかんでも管理部門が数字で事業を管理しようとすると碌なことはない。しかし事業部門に収益、投下資本そして資本コストの意識が低い場合には管理部門が介入することであ相対的な価値創造ができるのである。よく指摘されている通り日本企業全体としては、収益性は資本コストスレスレであり価値創造できておらず価値破壊している企業も多い。そのような状況ではプロフィットセンターの事業部門だけでなく相対的な価値創造の担い手として管理部門が存在すると見ることもできるのではないかと思っている。

 

管理部門はコストセンターであり、あくまでも事業運営に必要な機能を提供し直接価値創造はしないと考えられがちだが、上記のような考えに基づけば価値創造をすることも(相対的には)可能なのである。管理部門をこのように見るとまた違った景色が見えるのではないかと考えている。