トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

情報を浴びる

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一般論として問題解決は①論点を設定し②それをサブ論点に分解し③それぞれに対し仮説を出す、という流れが基本である。ただしこれには注意が必要であると思っている。具体的には解決するべき問題の難易度が問題解決を行う人間の能力と比べて難しい場合は、そもそも筋のいい論点・仮説が設定できないという点である。

 

多少問題解決の手法を実務に適応したことのある人なら実感があると思うが、馴染みのないテーマで問題解決の基本アプローチを当てはめようとするとかなり一般的な論点や仮説しか設定できないのである。これがもしも極めて簡単な問題であればすらすらと論点と仮説を設定できるかもしれないが、そもそもそのような問題は解決できたとしても価値が低い場合が多くお金が発生するような問題であればそのようなことが当てはまらないことが大半である。もちろんコンサルティングファームのように個人ではなく組織で動くのであればチームに業界やテーマに精通したシニアなメンバーも入るため相応に筋のいい論点や仮説は立てやすい環境にはある。しかしそれでもクライアント企業固有の事情があるため私の実感としては最初から極めて筋のいいものが出てくることは極めてまれであると思っている。

 

そのため問題解決に当たっては、特にプロジェクトのデリバリーや提案書の策定の初期段階に当たっては意識的に情報を浴びて、情報に溺れる期間を設けてるべきだと私は思っている。特に業界やテーマに深い知見がないジュニアなメンバーであればそれを行う期間は必ず必要であると考えている。情報の海を泳ぐ際は一旦は論点や仮説は忘れて感覚的に重要そうなもの、面白そうなものを調べたり簡単な分析を無目的に行ったりするのである。これを一定程度行ってから再度論点や仮説を考えると初期段階よりもはるかに筋のいいものが出来上がる。

 

ここで重要なのは意識的に無目的に行うこと、そして時間を区切ることである。当たり前ではあるが時間は有限である。そのためいつまでも情報を浴び続けるわけにはいかない。しかし筋のいい論点や仮説を出すためにはこのような期間は必要であるため、一定期間は一見非効率に見えるような時間を過ごすべきだと考えている。

 

筋のいい問題解決のためには一定期間、情報を浴びる時間が必要なのである。