トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

ちょい甘め

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私自身、ジュニアなチームメンバーとは意識的に「甘め」に接するようにしている。ここでいう「甘め」にはいくつかの次元があると思っている。

 

まず一つ目は仕事に対するフィードバックに関してである。要するにあまり厳しく改善するべき点などは言わないようにしている。もう一つはチームに対して要求する仕事の品質そのものである。そして三つ目はチームが働く環境や雰囲気である。例えばチームが同じ場所で働いている時にある程度雑談などもできるような雰囲気を作ることである。

 

根底にある考え方として「甘め」の空気を作っておいた方がジュニアなメンバーとしては失敗などを恐れずに気軽に発言できるということが挙げられる。特にこの仕事ではデリバリーの現場においてはジュニアなメンバーの方が現場のクライアントメンバーや生のデータに接しているため、より現実的な判断ができることもある。そんな状況でシニアな人間が「論理的には正しいが現実的には間違っている」ようなことを言ったときに、ピリピリした雰囲気ではなく「甘め」の雰囲気があればジュニアなメンバーが気楽に反論しやすくなる。

 

また背景にある共通する考え方として、この仕事は個々人がプロフェッショナリズムに則って働くべきであり、そのためには各個人の品質に対する意識や働き方に対する姿勢の基準を信頼するべきであるという考えがある。そのためには変にジュニアなメンバーを締め付けるよりは、彼ら・彼女らを信頼してのびのびと働ける場を作るべきだと思っている。

 

一方でこれは冷めた見方をすると厳しいフィードバックや品質を要求しようがしまいが、それができる人はできるし反対にできない人はいつまでたっても根本的にはできない、ということでもある。そのため敢えて厳しいことを言っても労が多い割には実りが少ないとも思っている。品質に関しても高い基準を持っている人はこちらが何か言わなくても高い品質を目指すし、逆にそれを持っていない人に対してより高い品質を求めてもあまり根本の部分では伝わらないことが多いように思える。(私の伝え方が悪い可能性も大いにある。)もちろん常識的な範囲では品質を上げるための工夫はするしフィードバックもするが、根本的にはその人から出てくる品質はその人のプロフェッショナリズムで良くも悪くも決まると思っている。そのため必要な品質が出てこなさそうならあれこれ言うよりも自分で仕事を引き取るなり他の人に任せる方が生産的であると思っている。(そのため私の心の中には「本当に信頼できる人リスト」「そうでない人リスト」はあり、極力前者の人たちと仕事をしようと試みている。)

 

これらは程度問題でありまたあくまでも私自身の一つの考え方ではあるがプロフェッショナルファームならば良くも悪くも個々人のプロフェッショナリズムを信頼し「ちょい甘め」で仕事に臨むべきではないかと思っている。