トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

一人旅とインターン

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自分語り。

 

大学生の頃、ちょくちょく一人旅に出ることを勧められた。確かに先人たちの中には旅を通じてさまざまな気付きを得て人間的にも成長した、といった類の話はよく耳にする。学生時代にあまりにもそのような話をよく聞いたので私も大学生の頃に青春18切符を使って一人旅行もした。しかし結局のところ、私自身の率直な感想としては「それなりに楽しいがめちゃくちゃ楽しいものではなかった」というのが本音だ。もちろん人生観が変わるようなこともなかった。結局のところ自分自身は引きこもり体質なのであり、また根っからの都会好きの人間であるため旅行というものがあまり合わないのである。働き始めてからも休みも基本的に都内に引きこもっているし、たまには旅行をするにしてもどちらかというと所謂リゾートホテルのようなところでぼけっとするような旅行ばかりであり活動的にさまざまな場所を周るといった旅行はしていない。

 

一方で「働き始めたら毎日がインターンのようなことをするのだから学生時代にそのようなことに時間を使うのはもったいない」といったような主張もたまに耳にする。確かにその理屈は理解できるが、自分自身の大学時代を振り返ると面白かった出来事の上位にははいくつかのスタートアップでのインターンと言う名のアルバイトの経験が挙げられる。

 

私自身、高校時代はいわゆる”ロケットサイエンティスト”に憧れて大学に入学したが、入学早々に勉強に挫折し、また研究室に配属されてからも自分には研究者には向かないということには気付いたもののさりとて特段興味のあることはなく無気力な学生生活を送っていた。そんな頃にたまたまある戦略コンサルティングファーム出身者が立ち上げたスタートアップを知り、ひょんなことからその会社でアルバイトをしたのであった。アルバイトの内容は事務作業に毛の生えたようなものではあったがそれでも優秀な社長や幹部と仕事ができたのは当時の自分にとっては刺激的でありまた単純に楽しかった。その後もいくつかの別のスタートアップでもアルバイトをしたがいずれも戦略コンサルティングファーム出身者が立ち上げた会社という共通点はある。(このうちの一社は私が最初に訪問したときは取締役・社員併せて7名でオフィスも他社のスペースを間借りしていたが、今ではこの会社は上場し創業者は数十億円の資産を保有している。)

 

このインターンは今の職業を知るきっかけとなり、また気付くとそれが私にとってのライフワークになるまでとなった。つまり少し大げさに書けばインターンが自分のプロフェッショナルキャリアを決定づけたのである。もちろんこのインターンをしなくても自分はコンサルティングファームには関心を持ったとは思うが、就職活動でもこのとき知り合った何人かの人から多大なアドバイスを貰いやっとこさ内定を得たという現実を考えると、おそらくこの経験がなければ今の自分のキャリアはなかったと思っている。

 

また現実問題としてこのインターンで経験したエクセルやパワポ作業はかなり働き始めた頃は役に立ったと思っている。新卒時から比較的高いパフォーマンスを出せたのは作業面で慣れがあったためにうまくスタートダッシュが切れてポジティブサイクルに入れたと思っている。

 

何が言いたいのかというとインターンの経験は自分のプロフェッショナルキャリアには極めて大きな影響を及ぼしたし単純に経験としても楽しかったのであり、少なくとも一人旅よりもはるかに重要な経験だったのである。もちろん人によっては一人旅で何かを得る人も多いだろう。インターンよりも一人旅の方が得るものが多い人の方が多数派なのかもしれない。しかしそうであったとしても(当たり前ではあるが)人によって向き不向きはあるのであり、中には私のように引きこもり体質で旅行には向いていない人もいるだろう。

 

私自身、一人旅を楽しめる人にある種の憧れを抱く。休みの度にバックパッカーをしている人は本当に楽しそうであり、そのような趣味(人によってはライフワークといってもいいかもしれない)を持てるのは純粋に羨ましく思う。しかし人には向き不向きがあり、中には私のようにそのような活動に合わない人もいるのである。そんな人は無理に旅行はしないで、あるいはインターンなんて学生時代にはやるべきではないという意見には耳を貸さずに、取り敢えずインターンのようなことをしてみるのもいいのかもしれないと思っている。