トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

スカスカしたスライド

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以前にも少し書いたがスライドには「密度」というものがあると思っている。パッと数秒見て「なんかスカスカした感じ」のスライドは実際に読んでみても内容が薄く社内外での議論に耐えられないものであるのに対し、「密度の高い」スライドは見た瞬間から考えが練り込まれているのが分かり実際に読んでみてもその通りでありそれを用いると良質な議論ができる。ここで述べる密度とはいうまでもなく単純な情報量のことではなくインテリジェンスのことである。

 

この「スカスカしたスライド」の正体は結局のところ読み手が意識的・無意識的に関わらず当該スライドに対して期待している問いに十分に答えられていないことが挙げられる。書き手が考えを練り切れていないために一般論や既知の情報のみを出しているためこの「スカスカした感じ」がスライドから醸し出されておりスライドを読まずにも瞬時にそれがおかしいことがわかる。これは結局のところ読み手が(無意識的に)期待するイメージとスライドの視覚情報を直感的に脳内で比較することで読み手にとって有意な新情報の有無が瞬時に判断されていると思われる。視覚から瞬間的に得られる情報は思いの外、大きいと考えられる。

 

スライドを作る上では密度を意識することは必須である。まず最初は品質チェックをするためにスライドを密度という観点で眺めるとそれが十分な品質なものか否かを判断するべきである。これは他人が作ったスライドであれ自分が作ったスライドであれ行うべきである。そして「スカスカした感じ」が感じられたら中身が一般論になっていないか、読み手にとって既知の情報のみになっていないか、読み手の期待に答える未知の情報が本当にあるのか、などを考えてみるといいだろう。

 

何度も述べている通り、コンサルティングの仕事はスライドを作ることではなくそれを何らかのアドバイザリーに用いて最終的にはボトムラインへの貢献をすることであるためスライドそのものはあくまでも一つのツールに過ぎないため過度にスライドにこだわる必要は本質的にはない。ただし場合によっては大げさではなく社長との議論に用いられる一枚のスライドが経営判断に結びつくこともあるためやはりスライドの質にはこだわるべきである。そのためにもスライドの密度は意識するべきである。