トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

筋のいい判断

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一緒に仕事をしている人、特にワーキングレベルのメンバーからよく「ジャッジメントがいい」と言われる。ここでのジャッジメントとはプロジェクトデリバリーにおいてチームとして何らかの判断が必要なときの判断の筋がいい、ということである。私自身、ジュニアなメンバーからであってもこのように言われるのは素直に嬉しいことである。

 

自分なりにこの理由を考えてみると、結局のところ、私は作業が得意だったことに起因していると思っている。自分の職位ではプロジェクトデリバリーの実務はしないしするべきでもないが、もともとジュニア時代から私は作業が相当得意であり、早く正確にできていたと思っている。そのため自分がワーキングチームにガイダンスを出す際にも、かなり具体的にどのような作業が生じどのような成果物が出てくるのかを想像できる。特に数字周りのことであれば作業で使用する元データの構造や質、作業時間、許容しなければならない誤差、どれだけ仮説を証明するかなども概ね想像ができる。分析的なもの以外にもクライアント企業内での合意形成のプロセスなども挙げられる。

 

ここまで具体的に作業そして何よりも出てくる成果物などを想像できると、それをもってクライアントと議論したときに相手がどのような反応もするのかもかなり想像ができる。それができるとチームが何らかの作業に取り掛かる前にその作業が必要か否かの判断ができる。特に大事だと思っているのが論理的には正しいがデータの精度や情報の入手性、クライアント企業内での力学などから実際にやってみると議論に耐えられるアウトプットが出てこない場合にそれを始めから時間を使うべきではないという判断ができることがある。もちろん逆にチームとしてはやるべきでないと思っていても作業とその成果物からの議論を想像するとやるに値すると判断できるところもある。ここまで具体的に作業と成果物を考えると判断の筋はかなり良くなると思っている。

 

一方で注意も必要である。それはこのやり方ではあくまでも自分自身が想像できる範囲の作業と成果物を元に判断しているため知のレバレッジが効かないことにある。確かに私自身は作業と成果物を具体的に想像することがかなり得意であっても、それでもそれはあくまでも一人の知恵に過ぎずチームの方がより良い想像ができているかもしれないし、また誰も想像できていないが実際にやってみると新たな発見が出てくる場合もある。そのため過度に自分の想像のみに頼るべきではない。チームの意見にも十分に耳を傾ける必要もあるし、もしかしたら無駄になるかもしれないけれど面白いことがわかるかもしれない、といったある程度不確実性があることもある種のポートフォリオを組んでやってみる必要がある。

 

デリバリーにおいてチームとしての判断をする際にはかなり具体的に作業と成果物を想像してみるといいだろう。