トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

CIO、CHROの権限

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前回のエントリでCXOに関して述べたがその続き。

 

私はCXOの中でもCIO (Chief Information Officer)とCHRO (Chief Human Resource Officer)は今後重要性が増し、そのためにその位置付けを経営として見直す必要があると考えている。

 

CIO、CHROはいずれも重要性が増している。情報技術の進歩により業界によっては、それは単純なコスト削減ではなく企業の競争力を左右するものになりつつある。CHROも同様で知的労働の重要性が増すと、企業の競争力は人材によって大きく影響される。競争力の源泉は人にあることが多くなってきているのである。そのためITと人材の活用は経営マターとなるべきである。

 

ITと人材活用を活用するためには事業の戦略やオペレーションにも踏むこむことが必須である。そもそも事業の競争力を増すためにはどのようなITを活用するべきか、それをどのようにしてオペレーションに組み込むべきか、そのために従来のオペレーションをどのように変えるべきか、といった論点は事業と密接に関係するためIT部門だけでは解決できない。人材に関しても同様である。どのような人材を採るべきか、それらをどのような権限と責任を与えるべきか、どのような組織体制とするべきか、といった論点はやはり人事部だけでは解ききれない。例えばある業界では平均的な能力と給与水準のエンジニアを300人体制であったところを「スーパースター」5人を業界の10倍の給与を支払い、大きな権限を与えて代わりの大胆にアウトソースも用い、更に勤務形態なども大きく変えた方がいいかもしれない。そのようなことは人事部だけではまず無理であり、事業側との連携と経営の関与は必須であろう。

 

一方でITと人材の難しさは多くの企業では情報システム部門や人事部は社内の立場上弱く、オペレーションにほとんど関与する権限がないことが多い。下手をするとIT部や人事部は「セキュリティの社内研修の催促をする部門」であったり「採用と人事評価を自分たちとは違うところでやる部門」と見られておりCIOやCHROもその部門の長であるとしか見られていないことがある。しかしこれでは事業の戦略やオペレーションに踏み込むことなど望むべきもない。

 

CIOやCHROは単純にIT部門長や人事部長の肩書きを変えるのではなくその権限と責任も見直す必要がある。そしてそれをできるのはCEOだけだろう。これは典型的な「緊急ではないが重要」なトップマネジメントアジェンダと言えるだろう。これらの解決方法は組織によっても置かれた状況によっても異なるため一つの解は言うまでもなく存在しない。しかし何であれこれらをトップマネジメントアジェンダに大半の企業では加えるべきであることは間違いない。

 

情報技術と人材の活用方法が戦略的に重要になってきている中では、それを担うCIO、CHROの権限と責任の設計はトップマネジメントアジェンダとするべきなのである。