トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

倒産目前

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今、諸事情により倒産寸前のスタートアップを横目に見ている。特に何か仕事で関わっているわけではないが、大まかには何が起きているかは想像できる。

 

当たり前だがこのような状況になると大企業の通常のオペレーションではなかなか見ることの出来ない「ドロドロとした」景色が広がっている。そしてそれらを横目で見ているとスタートアップに関わるのであれば常にそのようなことが起きるかもしれないという心構えを持つべきとともに、やはり(例えそれが履行されないとしても)契約の重要性を感じる。

 

会社が順調な時は一丸となっていても業績が低迷し倒産寸前になると当たり前だけれど当事者たちは負の感情を抱える。特に個人保証を負っている社長などは特にプレッシャーが強く精神的に追い込まれる。そうするとあとはあらゆる揉め事が出てくる。かなり真っ当な会社であっても言った言わないの水掛け論から始まり、仲良かったメンバー同士の罵り合い、裏切り(例えば競合へのノウハウ持ち込み)、「ヤバめ」の人たちの登場(非常に不利な条件での出資など)、恫喝などが出てくるし、会社によってはお金の持ち逃げ、暴力沙汰、契約書の改ざんなどがあり、場合によっては自殺者なども出てきたりする。重要なのはどんなに信頼できると思えるメンバーであっても追い込まれれば殆どの場合、各自が利己的に動くしそれはそれで仕方がないことだと思っておくことだろう。

 

一方でだからこそ契約などの約束事をきっちりと文面に落としておくことが必要である。もちろんこのような状況になってしまうと契約が履行されることはあまり期待しておくべきではない。また一口に裁判をすると言ってもその費用的な負担はもちろんのこと、精神的、時間的な負荷と債務者の状況などを考えるとかなりと場合、実際にそれを実行することはペイしないことが多い。しかし履行されなかったとしても文面に落ちていることには意味がある。少なくとも言った言わないの議論は避けられるし(といっても解釈などで揉めたりはするのでかなりしっかり書かないといけない)、文面に落ちていると依拠するものがあるため論理の世界では自分を守ることになるし、また精神的にも依拠できるものがあり楽である。揉め事が起きたら、最悪、感情論やスジ論などはすべて無視し、淡々と契約などに則って合理的にビジネスライクに動くこともでき、行動の指針になるという点でいいのである。

 

会社は順調な時は楽しいが必ずしも思い通りにはならず、そうなった時はかなり揉めることはあらかじめ覚悟しておくべきだし、まただからこそ物事は文面に落とし込んでおく必要があるだろう。