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コンサルティングの現場から

鳥貴族赤字転落の仮説的理由

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例によって素人なりの所感。

 

鳥貴族が赤字に転落するとしばらく前に発表したが本エントリではその理由を(素人なりに)考えたい。この理由は数字を見る限りは以下の6点であると思われる。
①値上げによる客離れ
②メガハイボール導入に伴うドリンク注文点数減少(=客単価減少)
③出店に伴う自社競合の出現
④急速な出店に伴う店舗オペレーション、特に接客の質の低下
⑤タッチパネル導入による接客(注文獲得力)の低下
⑥類似競合の出現

 

①は良く指摘されているところである。17年10月に280円均一から298円均一に値上げをしたところ客単価は上がったもののそれを上回る客数減により既存店昨対売上高が減少している。利益ベースだともう少しダメージは軽減されているとは思われるが値上げが全体としては上手くいかなかったことは間違いないだろう。特に値上げの影響が一巡した18年10月以降も既存店昨対客数は100を下回っており、安さがウリの一つであった同ブランドの顧客の長期的な離反を招いた可能性は高いと言えるだろう。

 

ただし18年10月以降は客単価も100を一貫して下回って推移しておりせっかく一品の単価をあげても注文点数が減少し結果的に客単価が下回ってしまっている。理由は複合的ではあると考えられるが、一つの要因はメガハイボール導入の影響はあると考えられる。ちょうど18年10月より通常の二倍の700mlの量のメガハイボールが導入され、実際にヒットしているようだが、この商品によって他のドリンクの注文数が減ってしまっている可能性は高い。実際にユーザーの話を聞いてもこれは実感に沿っているようである。

 

③は社長も認めているところである。14年7月末から18年7月末までの4年間で同社は店舗を363店から665店へとほぼ倍増させている。この結果、例えば溝の口や目黒などでは駅周辺に2店舗がありカニバリが起きていると思われる。

 

④も根本にあるのは急速な出店である。これだけ急速に出店すると店長人材やエリアマネージャー人材がストレッチされ経験の浅い人材がそのポジションに就き結果的に接客、特に注文を勧める力が弱くなったのではないかと考えらえれる。また総じて顧客体験が悪化し顧客が離反した可能性がある。

 

⑤もオーダーを勧める力が弱まった点では同様である。同社は17年ごろからタッチパネルを活用したオーダーシステムを導入しているが結果的に顧客接点が減少し、オーダーを勧められなくなってきていると考えられる。(また加えて注文額が見え易いため注文控えが起きた可能性もある。)

 

⑥に関してはいわゆる大手居酒屋チェーンが類似の業態を出し出店を強化したために結果的に競争が激しくなった可能性がある。

 

これらが外部から数字などのファクトを見る限り類推されることである。もしそうであったとすると実は①〜⑤までは内部要因であり、鳥貴族は「自滅した」と見ることもできるだろう。(ただし外食ではこのような急速に拡大する企業はだいたい一度はこのような「自滅」がおきそれを乗り越えて成長するのが一般的であると考えられるため、悲観することではないかもしれない。)