トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

思考を言語化する規律

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まだ大学生の頃にある大手コンサルティングファームの日本代表と学生何人かで食事をする機会に恵まれた。その時、いくつかの話が出たがその中で今でも覚えているのはアカウタビリティに関してである。

 

この代表が新人コンサルタントが初めに意識するべきことの一つに、自分の仕事に対して説明責任を果たせるようになることを挙げていた。つまりマネージャーやパートナーから「これはなぜこのようにしたの?」と訊かれたときにきちんと説明できる必要がある、とのことであった。もちろん新人のうちはその理由が頓珍漢なことは多いが、説明責任を果たせる限りは特には怒られることはないし、ある意味で問題ない。しかしもしも同じ問いに対して「いや、何となく」としか答えられなければ、それは大いに問題である。(そして怒られる。)自分の仕事をちゃんと本人なりに考えてそれを人に対しても説明できれば、考え方の間違いは指摘できるいずれは修正できるのである。

 

これは仕事の基本中の基本であるが、問題はこれは人によっては案外難しいことのように思える。つまり思考の(善し悪しではなく)癖として直感的に考える人は自分の思考を言語化して説明するのが自然ではないため、最初の頃は苦戦する。逆にどちらかというとボトムアップに言語的に思考する癖の人はこれはすんなり受け入れられる。

 

思考の癖は善し悪しではないが、コンサルティングのように社内外に人たちとチームで働くような仕事の場合は特にジュニアなうちは自分の思考を言語化する習慣が必要である。習慣というよりも規律というべきかもしれない。(そして多くの仕事も同じだと思われる。)どんなに細かいことであっても、スライドのテキストボックスの配置であっても、ちょっとした言葉の選び方であっても、なぜそのようにしたのかと聞かれた時には即座に答えられるようになる必要があり、基本的には言語と理屈が汎用的なコミュニケーションツールである以上、自分の思考を言語化する規律が必要なのである。

 

これは当たり前のことであるが案外意識しないとなかなかその規律は身につかないのである。