トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

飲食店仮説

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例によって素人なりの飲食店に関する仮説。

 

2010年の国勢調査によると初めて「単独世帯」が「夫婦と子」から構成される世帯数を抜いた。これによって世帯を「単独世帯」「夫婦のみ世帯」「夫婦と子世帯」「ひとり親と子世帯」「その他世帯」に分けたときに単独世帯が最も多い世帯となった。2015年の国勢調査では単独世帯が34.5%になりまた2000年時点の27.6%よりも7%pt近く伸びたしその傾向は当面止まらなそうに見える。

 

このようなトレンドの中ではよく言われている通りファミリーレストランよりも「パーソナルレストラン」のニーズの方が高まる。私自身も一時期働きながら平日はほぼ毎日主菜+副菜+味噌汁を作っていた時期が数年あったので分かるが、自炊はまったくもって合理的ではない。スーパーで手に入る食材も単身者を想定されていないものが多く作りすぎになってしまうことが多い。また大戸屋吉野家で500円から1000円程度で美味い料理が食べらることを考えると、かなりシビアにコスト意識を持って料理を作らないと、コスト面でも大戸屋吉野家には敵わない。加えて料理をする手間・片付ける手間を考えると外食する方がはるかに楽である。そのため今後も単身者を対象とした食事処は増え続けるだろう。実際に焼肉屋などでも最近は一人用の席も出てきたようである。

 

これらはあくまでも単身者の食事というニーズを満たすための飲食店だがそれに加えて「会話をしたい」もっといえば「孤独感を解消したい」といったニーズもあると思っている。単純に食べるだけでなく、なんとなく人と会話をしながら食事をする、みたいなニーズも単身者にはあると思っている。イメージとしてはカウンター主体でお酒も提供されながらも、食事もそれなりに充実していて家庭料理に近い料理が提供されるような店である。会社帰りに最寄駅の近くにあるような店で、食事とちょっとお酒を兼ねて訪問し馴染みの店員やお客とゆるゆると会話をして帰る、といったような店である。個人が経営している居酒屋はそのような役割を果たしていると考えるが、上記のコンセプトをより鮮明にさせ、かつ対象顧客をもう少し年齢・性別という意味では広くしたような店(=利用シーンは明確化させた店)はあってもいいと思っている。

 

このような業態の店は大型化しにくく、また店員の能力が重要になってくるためチェーン展開は難しいと考えられる。加えて「自分の隠れ家(Third/ Forth Place)」と思ってもらえる必要があるため、この意味でも同じ看板で運営するのは得策でないと考えられる。(ただし利用シーンなどを考えると同一顧客が複数の店舗を訪問することはないために、食事などのメニューに関しては店舗間で共通化はできると考えられる。)店員の重要性を考えると、やるとするならば上手く店長に店舗企画・運営に権限を与えながらアップサイドを共有するような仕組みを作るなどの必要だと思われる。

 

このように決してビジネスとしてはなかなかスケールしにくいが、言い換えるとアドバンテージマトリクスでいうところの典型的な分散型業界であると考えられるが、上記のような「食事+緩やかな会話」を満たすニーズは出てきているし、かつこれはさらに拡大すると考えるのでなんらかの形でこの機会を捉える企業が出てきてもおかしくないと思っている。