トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

昇進に関して - プリンシパルからパートナー編

スポンサーリンク

コンサルティングファームにおける昇進に関しての第4回目のエントリ。今回はプリンシパルからパートナーへの昇進のために留意するべき点を述べる。

 

これまでにも述べている通りパートナーはコンサルティングにおける真の意味での華である。本当の意味でのコンサルタントはパートナーのことであり、パートナーは決して「アガリポジション」ではなく、コンサルティングというプロフェッショナルキャリアのスタートラインに初めて立ったと言えるのである。またパートナーシップを採る会社ではパートナーになることは会社の株式を取得することになり、本当の意味でファームに所属・所有することになるためその昇進基準もプリンシパルまでに比べるとかなり厳格となる。

 

ただしパートナーの役割そのものはプリンシパルの後半とさして変わらない。正確には昨日述べた通りプリンシパルロールなどというものは存在せずに、パートナーロールかマネージャーロールしかないためプリンシパル後半でやっていることはパートナーの役割そのものである。それはすなわち「デリバリー」の品質の最終責任を担いつつ、「ピッチ」つまりは提案活動をしてプロジェクトを依頼される立場になり、かつ「アカウント」の面ではクライアントとの長期的な関係構築をし”Trusted advisor”になることである。

 

そしてパートナーになるための大前提として基本的にはプリンシパルの段階でデリバリー、ピッチ、アカウント、全ての面がある程度は出来ているべきである。これらが出来ていなければ、そもそもパートナーの昇進の話は出てこない。以下で述べることはこれらが出来ていることが前提にある。

 

具体的に留意するべき点は以下である。

●独自ポジショニングを考える
●サポーター・スポンサーポートフォリオを見直す
●緩やかなチームを作っておく
●「No」と言えるようになる

 

一点目。パートナーになるためにはファーム視点で「その人をパートナーにすることでファームがより強くなる」と評価される必要がある。そのためその人独自の強みがプリンシパルのうちから見えている必要がある。これは業界知見でもいいし、何らかの機能テーマ的な知見でもいいし、あるいはコンサルティングアプローチでも構わない(これは機能と重複するところはある)。あるパートナーはある民間企業の研究職だった前職の経験を活かしてその業界を担当するパートナーとなった。(この業界は比較的技術的な知見が求められるという特徴がある。)このパートナーはマネージャーの頃から「この業界は凄く伸びることはないが、それでも一人は東京支社で詳しいパートナーが必要だと思われ、その時点では誰もいなかった」と考えて、独自のポジショニングを築いた。このように社内外の需給バランスを冷静に見極める必要がある。

 

二点目。パートナーは文字通りパートナーシップの一員になるため、パートナーシップの中でもシニアなメンバー複数人から「この人はパートナーにするに値する人物である」と推薦してもらう必要がある。ただしこれは案外、通常の仕事をしているだけでは一緒に仕事をするメンバーが固定化されがちなため、ある程度戦略的に取り組む必要がある。(これは一見「スタンプラリー」に見えるが根底にある思想は「一人前のパートナーになるためには幅広いパートナーからの薫陶を受ける必要がある」ということがある。)

 

三点目。プリンシパルくらいになると一人でできることには限界があり他に人にやってもらう必要がある。そのためには自分の緩やかなチームを作っておく必要がある。緩やか、と表現しているのは明確な指揮命令系統がないためである。そうではなくある特定業界やテーマに情熱を持っているよりジュニアな仲間を予めチームにしておき、提案活動を行ったり新たな知見を構築する活動を行ったりすることになる。そのためプリンシパルのうちからもこのような指揮命令系統に基づかない独自の緩やかなチームを作ることを意識するべきである。

 

四点目。プリンシパルのうちは、特に優秀なプリンシパルであればあるほど色々なパートナーから仕事を手伝わないかといわれる。マネージャーまでと違ってプリンシパルはプロジェクトに配属されることがないため、仕事は増やそうと思えばいくらでも増やせるのである。しかしそれでは一つ一つの仕事が雑になったり、労働時間が長くなりすぎたりする。またより大きな問題として、色々なことに手を出しすぎるとその人独自の「プロフェッショナルストーリー」が薄れ、結局何がその人の独自価値なのかが分かりにくくなる。そのためどんなにシニアな人から仕事に誘われても、自分のストーリーに沿っていなければ勇気を持ってNoと言わなくてはならない。

 

この他にもパートナーとして仕事をする上での動き方の方を述べようかと思ったがこれは長くなるのでまた別エントリで述べる。