トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

昇進に関して - 概念編

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これから4回に分けてコンサルティングファームでの昇進するために留意するべき点を述べていく。具体的には下記4回に分けて私なりの意見を書いていきたい。
●心構え編
●アソシエイトからマネージャー編
●マネージャーからプリンシパル
プリンシパルからパートナー編

 

まずは初回は昇進に関する心構えについて述べる。心構えは概念的ではあるが、私は小手先のことよりもこの概念を把握しておくことが何よりも大事だと思っている。具体的には下記の6点を特に意識するべきであると考えている。(過去のエントリにも一部似たようなことを書いていることは予め述べておく。)

●昇進など考えずに好きなことをやる
●「なれる・ならない」ではなく「なる・ならない」と考える
●脱チェックリスト思考
●「ゲームのルール」は把握しておく
●昇進仮説を持っておく
●評価は短期的には間違うかもしれないが長期的には正しいと信じる


まず一点目。昇進のコツに関するエントリの最初の考えが「昇進など考えずにとにかく好きなことをやるべき」というのはある意味で矛盾しているが、結局のところ昇進は自分の成果と実力に対して後追いで付いてくるものであり、昇進を目的にするべきではない。あくまでもいい仕事をしていれば勝手に職位が付いてくるのであり、とにかくいい仕事をするべきである。そしていい仕事をするための必須条件は自分の好きなことをやることが一番である。「昇進のため」と考えて好きでもない仕事をやるのは貴重な人生の時間の無駄遣いである。それくらいなら好きな仕事をして、それで昇進できないならば好きな仕事ができる環境に移ればいいだけの話である。とにかく昇進などを気にせずに好きな仕事をするべきである。

 

二点目。これは以前にも書いたが「昇進できる・できない」と考えるのはイケていない発想である。これは昇進を外部環境と考えているためである。そうではなくまずは「昇進するか・しないか」という自分の中での意思決定・決心をするべきである。特にマネージャー以降は案外、「昇進できたらいいな」といった発想をしている人が多く、この「なる・ならない」の意思決定をしていない人が少なくない。昇進は外部環境ではなく内部環境と考え、意思決定をしたらあとは淡々とエグゼキューションをするだけである。

 

三点目。「昇進する」という意思決定をしたら職位がまだついてこなくても「自分はマネージャー(プリンシパル/パートナー)である」と定義し、その職位のように考え振舞うべきである。プロフェッショナルファームには業務分掌などないようなものなので、そのように(周囲に迷惑はかけない形で)好き勝手やればいい。昇進するために必要な要件をチェックリスト的に潰していくという発想は辞めて、「それっぽく振舞う」ことの方が大事である。チェックリスト的発想は本質的には減点方式であるため、そのような発想で見られたらいくらでもケチはつけられる。しかしそもそも次の職位のように振舞い「それっぽければ」、昇進を決める査定においても「この人はXX、XX、XXというような行動を取り、これはまさしく次の職位の役割そのものである」といった強力な主張ができる。とにかく「それっぽく振舞う」ことが大事である。

 

四点目。基本的に昇進などは考えずに好きなことをやり、「それっぽく」振舞えば自然と昇進する。とはいえやはり「ゲームのルール」は頭に入れておいて損はない。案外、ファームの観点で次の職位に求められる役割は見えていなかったりすることもあるので、どんなことが求められるのかは頭の片隅に置いておくべきである。これはチェックリスト思考と相反する面はあるので、極端にそれを意識する必要はないが、知ってはおいた方がいいだろう。案外、一部の視点が抜けていることもある。

 

五点目。昇進ストーリーは一通りではなく人によって異なる。特にどのコンサルティングファームもサービスラインが多様化しており従ってコンサルタントの評価のされ方も画一的ではなくなている。そのため自分自身の昇進ストーリーは仮説的に早めに持っておく必要がある。例えば「この人はXXXという専門性があり、東京支社の中でもピカイチである。そしてこれは今後XXXという業界では特に需要になってきており、実際にその中のXXXというクライアント企業では大きな成果を出している」というようなストーリーである。実際にはまだそれを実現できていなかったとしても、そのような仮説的なストーリーがあり、それが「ゲームのルール」と照らし合わせても十分であれば、あとは実行するだけである。逆にそのストーリーがないと行き当たりばったりになってしまうため、ファーム内でのキャリアがブレてしまいがちである。

 

六点目。ファームに所属している以上は評価は長期的には正しいと信じるべきである。もちろん短期的には昇進するべき人が昇進しなかったりその逆が発生することもあるが、長期的には必ず正しい落し処に落ち着くと思うべきである。人によっては昇進できない理由を未練がましく外部環境のせいにしたりすることもある。そして場合によっては昇進を過度に意識して変なアピールをすることもあるが、それは時間の無駄であることが多い。長い人生において半年・一年は誤差であり、評価の正しさといった無駄なことに時間を使うよりはいい仕事をするべきである。もしも自分の評価が低かったらそれは評価がおかしいのではなく、自分がおかしいと一義的には思うべきである。

 

色々と書いたが、上記はプロフェッショナルファームである程度の時間を過ごすつもりであれば意識しておいて損はないだろう。次回以降はより具体的に書く職位別に留意するべき点を述べていく。