トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

フィードバックに関して

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外資系企業では本人の成長のためのアドバイスを「フィードバック」と表現をすることが多い。ジュニアなうちはもちろんさまざまなフィードバックを貰うが、同時にかなり年次が浅いうちからもシニアな人に対して公式・非公式のフィードバックをしたり、あるいはよりジュニアな人に対してもフィードバックをする。そもそもコンサルティングファームは昇進が早い上に、多くのファームでは健全なフィードバック文化があるために年次が浅いうちからもフィードバックすることが求められる。

 

このようなフィードバックをする上でいくつか留意するべき点がある。特に重要なのがファクトベースであることである。これは一見当たり前のようだが、ファクトベースであることを相当意識しない限りそのようにできないと思っている。これを別の表現をすると状態ではなく行動を基軸に話すべきである、と言い換えることもできる。

 

例えばケアレスミスを連発する若手がいたとする。そのとき「〇〇さんはおっちょこちょいなのでケアレスミスに気をつけよう」というような表現をすることは適切ではない。あるいは現象を概念として捉えることに苦戦している若手に対して「〇〇さんは概念的な思考が苦手なので、そこをもっと伸ばすようにしよう」というのも同様である。結局、「おっちょこちょいであること」「概念的な思考が苦手なこと」は状態であり行動ではない。しかし状態は主観でありファクトベースではなく、また仮にそれがファクトであったとしても状態であることは直接的には変えられないためフォードバックとしては適切ではない。変えられるのは行動である。そのため指摘も行動を軸にするべきである。例えば「過去の資料で何回か誤字脱字などのケアレスミスがあったので、成果物を出す前に見直すべきだ」あるいは「過去の発言ではより上位概念に捉え直されていたので、今後は概念の構造化を意識するべきだ」といった具合である。

 

また「あなたはXXXである」というネガティブな状態で指摘されることによる相手を萎縮させるという面でも状態を指摘するべきではない。ネガティブな状態を指摘することは根本的には相手を否定していることになり、それは問題解決志向ではない。否定するべきは望ましくない行動であり、その人そのものではない。

 

フィードバックをする際はその人の状態ではなく行動というファクトから入るべきである。状態はそもそもファクトベースではなく、また仮にファクトベースであったとしてもそれ自体は直接的には変えようがないのである。