トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

習慣化とコンビニPB

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特に結論のない話。習慣化とコンビニのPBに関する雑感。

 

習慣化という概念がある。これは主に消費財の分野である商品が「消費者が何も考えず、他のどの類似商品とも比較せずに指名買いで購入される状態」になることである。例えばコカコーラを日常的に飲む人はまずペプシを買うことはないのでこれは習慣化の典型と言えるだろう。タバコも同様であれだけ種類があり、味の違いは他社から見るとほとんどなかったとしてもスモーカーはそれぞれお気に入りの銘柄がありそれ以外に浮気することはまずない。習慣化が起きるのは、選択するということは脳に負荷がかかることであり本質的に面倒であることと、何度か同じものを消費すると「あの味」が欲しいという状態になっていると思われる。私自身、サントリーの烏龍茶か伊藤園のおーいお茶、チルドカップコーヒーの森永乳業 マウントレーニア(緑)、チョコボール、明治ホワイトチョコレートあたりは習慣化商品になっている。他のブランドがどんなに美味しくても「あの味」が欲しいのである。特にマウントレーニアは自分でも購入していて変だなとおもっている。コーヒーとしては圧倒的にコンビニのアイスコーヒーの方が美味しい訳であり今となってはチルドカップコーヒーは中途半端な商品になっている印象があるが、それでも「あの味」を飲みたくなることは多い。まさに習慣化しているのである。

 

一旦、習慣化されるとそれは消費財としては強く既存ユーザーはその商品カテゴリを消費し続ける限りは(よほど価格差がない限り)当該商品を購入するので特段、習慣化された消費者に対しては広告宣伝などを投下しなくてもよくなり提供者としては理想的な状態となる。そのため消費財メーカーにとってはいかに習慣化されようになるかは一つの重要なテーマだろう。(もちろん一口に消費財メーカーといっても化粧品などは習慣化とはまた違う原理が働くと思われるため重要ではないカテゴリもあるだろう。)

 

習慣化の観点ではコンビニのPB(本エントリではポテトチップスやお茶やお菓子などを想定。食品以外は本エントリでは考えない)は入手性という意味で構造的には難しい立ち位置にあると思っているが、一方で今後の伸びという意味では(習慣化の文脈で)なかなか面白い商品であるとも思っている。以下は自分なりの習慣化という文脈でコンビニPBを考えていく。(あくまで消費財の素人の意見である点は留意してもらいたい。)

 

コンビニPBが普及したのはここ10年くらいの印象であるため今の30代以降はPBが出てきたタイミングでは既に習慣化されている他のブランド(基本的にNB)があったと思われるため習慣化のスイッチがしにくいと考えられる。またPBの場合は入手性の問題も習慣化の文脈では難しさがあると思っている。結局、特定のコンビニでしか特定のPBは手に入らないため、自宅と職場やその他の活動圏で最寄りの小売店で同じコンビニがないと習慣化しにくい。一方でNBは文字通りNationalであるため、コンビニでなくてもスーパーやキオスクなどでも手に入り入手性が高いために習慣化の観点でも圧倒的に有利である。

 

私自身、たまにPBを食べたり飲んだりすることがあり、味はNBと基本的に変わらないと思っているが、既に刷り込まれた状態にあるためにどうしてもPBには手が伸びない。美味い・不味いではなく味が微妙に「違う」(と思われる)のであり、「あの味」を求めているときにはどうしても受け入れられないのである。(ちなみにセブンの金の食パンは非常に好きであり、習慣化まではいかなくても近所のパン屋が閉まっているときはちょくちょく買う。)味に関してはおそらく習慣化される前にこれを食べていてたまたま生活圏に特定のコンビニPBがあれば習慣化されていたと思っている。コンビニ各社の開発力を考えればむしろ下手な食品会社よりもお金を掛けられるためPBの方が不味い・劣っているということはないはずでる。価格は印象としては20-30%程度PBの方が安い印象だが、自分にとっては価格差と「あの味」バリューを比較したときにまだ後者の方が大きいためにPBは購入しないでいる。(自分は価格感度はかなり低いと思うが、もしもサントリーの烏龍茶500mlが200円になり一方でPBが100円だったら多分スイッチするように思える。)なお水に関しては自分は躊躇なくPBを買う。少なくとも自分には水の味の違いは分からないため、単純にPBの方が安いためである。結局、自分にとっては水には「あの味」バリューはないのである。

 

とはいえコンビニの棚を見てもあれだけPBが占めているということは、もちろん利益率が高いというのはあるが、それだけ購入されているはずであり既に習慣化されている消費者もいると思われる。一方でどれだけいるかは不明だが、やはりNBの「あの味」を求めてPBを避けている人も一定数いるはずであり、それは各カテゴリのPB/NB比率がひとつの指標となるだろう。

 

将来に関しては、これからもPBの方が習慣化という文脈で成長すると思っている。結局、これだけ普及すると当該カテゴリにまだ習慣化商品を持っていない顧客(主に学生や若手社会人)がPBを手にする機会は増えるためである。特にそのような世代は価格感度が高いと思われるため、20-30%安いのは魅力であると思われる。そして最初の「刷り込み期」に手に取られれば先ほど述べた通り味はNBと変わらないか場合によってはNBよりも優れている商品もあると思われるため、PBで習慣化される層が増えてくるだろう。このあたりは入手性と価格のせめぎ合いでどちらに習慣化されるかが決まると言えるかもしれない。もちろん純粋に味でPBがNBを上回るということも開発力を考えたら十分にあり得るだろう。習慣化という観点では、他に考慮するべき要素は認知度もあると思っている。広告に関してはPB全体の広告はあるにしてもポテトチップスというようなカテゴリ単位では今の所はNBの方が高いと思われるため「刷り込み期」においてはNBの方が認知度という観点では有利だろう。またパッケージもPBはジェネリックでありちょくちょく変わっている(印象がある)ためなかなか覚えられないが、NBはキョロちゃんのようなイメージキャラクターがあったり商品名もより固有の名前があるため、やはり習慣化という文脈では有利だろう。

 

色々と書いてみたが私自身、消費財の専門家でもないので中にはファクトが違うところもあるかもしれない。ただなんであれコンビニのPBは今後どのように進化していくのかは(頭の体操として)見ていて面白いと思っている。