トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

Dicewarsから浮かび上がる戦略論

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大学の研究室にいた頃、論文提出前の冬になると大抵、現実逃避のためにパソコンでできる下らないゲームが研究室の中で流行っていた。そんな中で私がよくやっていたのはDicewarsと呼ばれるゲームである。これはサイコロを用いた陣取り合戦みたいなもので説明するよりも実際にやってみた方が早いので関心のある方は試してみて欲しい。(1ゲーム5分ほどで終わる。)

https://www.gamedesign.jp/games/dicewars/

(紫色が自陣となる。基本的に自陣のブロックがつながっているほど自分のターンエンドの「回復力」が高まる。また自陣に隣接しているブロックを攻撃できる。) 

 

このゲームを学生時代に「気分転換」を兼ねてあまりにも何回もプレイしたため相当上手い自負があるが、企業の戦略立案の支援をするように改めてプレイしてみると、以前から書いている戦略の重要性が体感できる。

 

このゲームで重要は結局のところ取得する立地で競争力が決まり、その立地は広い土地の海岸線である。イメージとしてはアメリカ大陸のどちらかの海岸沿いの土地を取得し、一定の国力を蓄えた上で周辺の小国を攻撃する、というのが基本的な勝ち筋である。逆にダメな立地は半島である。特に半島は一見すると敵陣が周囲に居ないために、序盤は安定する。しかし土地の数が限られているため「国力」があまり増えず、ゲーム終盤では半島の根元に生まれる「大国」に最終的にはやられてしまう。(一般に半島は政治的に不安定になると言われているが、このゲームはシンプルにその仕組みをモデル化していると思っている。)

 

戦略というレンズで述べるならば、まずは序盤で制覇するべき地域を(Where to play)、その上でそこにどのようなルートで攻めるべきかを考える(How to play)必要がある。ここで考える制覇するべき立地は上述の通り広い土地の海岸線のうち最もアクセスのしやすい地域となる。これがこのゲームにける戦略である。プレイをしていると現実には目指すべき立地にたどり着こうとしても敵陣に妨害されて思うように責められないこともある。しかし当初掲げた戦略を変えなければ、多くの場合は最終的には目指すべき立地を制覇できることが多い。ここで大事なのは具体的な攻め方は考えすぎないことである。個別の戦いはある程度サイコロの運で左右されるため読めないが、ざっくりと目指すべき土地とそこに至るルートを決めることである。これが決まっていると、自分のターンになったときも大きな指針が出ているため、具体的な指し手の判断まで落とし込みやすくなる。これは戦略が決まっていると現場で施策の作り込みがしやすくなるのと似ている。

 

このような簡単なゲームでも複数のプレーヤーと競いながら目的を達成するという意味ではやはり戦略が重要なのである。ビジネスに限らずゲームなどでも戦略という文脈で眺めていると案外、気付きが得られるのである。