トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

数字の感度に関する雑感

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しばらく前にニューヨークであるアメリカの大企業のCEOによる詳細な全社・事業戦略のプレゼンテーションを見る機会があったがこれは個人的には感動に近い感情を得た。理由はそのCEOに対する数字の感度への高さに対してである。数字の感度とは、ビジネスの活動を数字を用いて説明しようとする姿勢、と言い換えることもできる。

 

このCEOは事業戦略を説明するときにまずは地域×製品群のセグメントに分け、「このセグメントはまだXX%の市場成長が期待できるためシェアを取りにいく。具体的にはこの市場に向けた新製品を3本投入しシェアをXX%pt獲得し、結果として売上高をXXドル伸ばし、EBITDAはXXドル伸ばす」といった具合に数十個のセグメントに説明をしていった。しかもこのCEOは数字をほぼソラで覚えている具合だった。より正確には数字をこのプレゼンテーションのために覚えたというよりは頭に染み付いている様子であった。

 

これは文字に落とし込むと一見当たり前に映るかもしれないが、セグメント単位の戦略施策とそれに対するボトムライン(トップラインではなく)への影響をロジカルに数字を用いて説明できる経営者は少ないのではないだろうか。(多分、日本電産の永守社長やファーストリテイリングの柳井社長ならできると思われる。)

 

私自身、「日本企業」「欧米企業」という括りは雑すぎて適切ではないことが多いのであまりしないようにしているが、数字に対する経営の感度に関しては欧米企業の方がはるかに高いと考えている。これは経営コンサルティングの現場で日本や欧米の大企業に関わってきた中での感想である。少なくとも日本と欧米の上位1000社くらいを取って数字に対する経営者の感度を比較したら著しく差があるのではないだろうか。

 

理由は色々とあると思うが①多様性があると数字が共通言語になる、②エクイティガバナンスの発展により数字(特に利益)へのプレッシャーが高まる、あたりが考えられるだろう。もし仮にそのような理由があるとするならば、日本企業も①②どちらもその流れになると考えられるため、数字への感度を上げることは今後求められるだろう。何らかのか形で経営に関わる仕事をしている人たちは「数字の感度」という切り口は意識してもいいだろう。