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コンサルティングの現場から

本の紹介:経営戦略の巨人たち

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「経営戦略の巨人たち」という本がある。Amazonの内容紹介によると「現代ビジネス界に「戦略」を持ち込み、企業経営に革命をもたらした新しい知識人たちの苦闘の現代史。マッキンゼーやボストン・コンサルティング、ハーバード・ビジネス・スクールなどの攻防を描く」といった記載になっている。

 

私はこの本は素晴らしい良書だと思っている。まずはこのような経営戦略のコンセプトを紹介する本はやや図鑑的になりがちであり、ストーリー性に欠ける本が多い印象であるが、本書はストーリーと経営戦略そのもののバランスが非常にいい。特に本書は企業とその背景にある個人に着目しているため、単に経営戦略のコンセプトを説明するのではなく、それを考えた個人がどのような文脈から辿り着いたのかも丁寧に書いているためストーリー性がある。BCGのプロダクト・ポートフォリオ・マトリクスがどのようにして生まれたのか、「戦略」で後れを取ったマッキンゼーがどのようにして「スーパーチーム」(6人で構成されその中の一人は大前研一である)を立ち上げ挽回しようとしたのか、ベインがどのようにして差別化をしたのか、といった話は純粋に物語として面白いのである。特にこの業界に想い入れのある私のような人間にとっては、人間ドラマの群像劇を観ているような感覚にとらわれる。このように出来るのはひとえに著者の取材力によるものだろう。ジャーナリストである著者はあとがきにも100人以上の人たちに対して相当の時間を取材していると述べており、実際に読んでいて相当業界の細かいことまで分かっていることが感じられるのである。

 

またこの業界に興味のある日本人にとっては最初にある「日本版に寄せて」もとても素晴らしい。BCGの日本支社の初代代表であるジェイムズ・アベグレンがどのような経緯で日本に来たのか、そのときBCGの創業者であるブルース・ヘンダーソンとどのような会話をしたのか、あるいはマッキンゼーが日本ではどのようなプロジェクトを最初は手掛けていたのか、といったことが克明に書かれていて刺激的である。コンサルティングの黎明期における日本市場の位置づけなども読んでいて面白い。

 

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