トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

インテリジェンスを練り込む

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私は「インテリジェンスを練り込む」という表現をよく使う。これは一言で言うと物事をどれだけ考え込んだのか、ということをである。例えば一つのスライドであってもインテリジェンスが練り込まれたスライドとそうでないものでは一見似たような見た目や文言であっても頭の入り方が違う。特に口頭で議論するとインテリジェンスが練り込んだ議題を話すと迫力が圧倒的に増すのである。

 

今の仕事ではプロジェクトのデリバリーの一環としてクライアントと議論する前にはマネージャーやアソシエイトはパートナーを交えて議論する社内会議を実施する。この様な会議を「パートナーがチームの仕事をレビューし修正点を指示する場」とマネージャーやアソシエイトは捉えがちである。確かに品質担保をする責任のあるパートナーとしては、クライアントに提示する前に資料(とその根底にあるメッセージ)を確認する必要があるが、これは社内会議の目的の一側面でしかない。より重要なのはファクトや分析結果を見ながら会議中に議論しながらどのようなメッセージを構築するかを考えること、つまり「インテリジェンスを練り込む」ことであり、むしろそちらの方がはるかに大事なのである。実際のクライアントミーティングでも資料そのものの出来がいいに越したことはないが、(最悪、資料が作り込まれていなくても)考えさえ練り込まれていればそれで十分に価値を出せる。

 

ではそれをするためには何を意識するべきか、という問いに関しては、とにかく考えること、という他ない。しかしそれを敢えて言語化するならば少なくとも下記のことは考えている必要がある。

 

●(いうまでもないことであるが)そもそもの論点は何なのか?十分にシャープか?
●使用されている言葉の定義を訊かれたら即答できるのか?
●この文言・発言をなぜこのタイミングでしているのか?
●前後の文脈と整合性が取れているか?
●全体の構造の中のどの議論を今しているのか?
●構造は読み手にとって意味がある切り方になっているのか?
●抽象的な概念になっていないか?具体例を聞かれたら答えられるか?
●逆にこの議論は抽象化すると何なのか?
●一般論になっていないのか?状況固有の議論になっているのか?
●この議論を受けての聴き手・読み手が取るべき行動は何か?

 

どれも言われてみれば当たり前だが、極端に言えば一言一句で上記が考えられている必要がある。資料の一文一文、一言一句に対して上記の全ての質問に対して答えが出せていたならば一見当たり前の一文に見えても迫力がでるだろう。

 

コンサルタントは紙芝居やと揶揄されることがある。しかし紙芝居の全体のストーリーに、紙芝居一枚一枚に、そして一言一句にインテリジェンスを練り込めば大きな付加価値が出せるのである。それだけ考えを練り込む習慣を身につけるべきだろう。