トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

経営主導の変化を起こすためには

スポンサーリンク

昨日、経営の大きな仕事の一つはオペレーションを回していては起きえない変化を起こすことである、といった旨を書いた。そして事業環境の変化に対応するためには、経営もそれに応じた変化を起こすべきであるとも述べた。

このような変化を経営主導で起こすために経営が取りうる具体的な打ち手は、つまるところリソース配分の決定である。より具体的にはどこに、どのようなリソースを投入するか、である。製造を内製化から外製化する、という判断も「製造工程」(=どこ)に「人員と設備投資」(どのような)を投入するのではなく、「外注先」(=どこ)に「外注費」(どのような)を投入するようにしたと言える。つまり経営主導の(非連続な)変化を起こすためには、当たり前だがリソース配分を大きく変える必要がある。

 

これは論理的にはきわめて自明のことであるが、一方で現実にはそれがかなり難しい。リソース配分は基本的には予算策定プロセスといった形でガチガチにオペレーションの中に組み込まれているため、放っておくとまず大胆なリソース配分は実現できない。またいくら経営が「XXからXXにリソースを再配分せよ」と号令を出したところで、通常の予算策定プロセスでは事業部と管理部のせめぎ合いというか力学で決まるものであり、その力学に強い意志を持って経営が介入しない限り、経営の号令は事業部と管理部の政治の渦に消えていく。そして結果として昨年対比+/- 3%に落ち着くのである。しかしこれではいくら経営が号令を掛けても現場は何も変わらないのであり、本当に経営が変化を起こしたければ(大半の企業では)、掛け声でなく予算策定プロセスというリソース配分のオペレーションに入り込まなければならないのである。

 

まとめると経営が変化を起こすためには、リソース配分を変える必要があり、そのためには経営が意志を予算策定プロセスに介入しなければならないのである。(「昨年対比+/-3%問題」を解決するために、ZBB (Zero Based Budgeting)といった方法などもあるが、この手法も元はと言えば事業環境変化の激しい半導体業界の雄であるTexas Instrumentsが開発したのも自然なこととも考えられるだろう。)変化を起こすのは難しい。特に「予算を予算を召し取られる」といった変化にはいくら「全社最適化の視点・経営の視点を持て」といったところでほとんど場合、取られる側は必死に抵抗するであろう。変化を起こすためには経営は必要に応じて掛け声でなくオペレーションの一部に入り込まなければならないのである。