トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

経営とオペレーション

スポンサーリンク

以前にも書いたがジャック・ウェルチは「リーダーの仕事は変化を起こすことと次のリーダーを育てることである」と言っていたとのことである。このうちの前者の変化を起こすこと、に関しては少し違う見方をすると「経営者の仕事とは、経営者が始めなければ起きないことを起こすことである」と言い換えることができると思っている。企業は一般的には「昨日行ったことを今日も行い、明日も行う」ように設計されていると見ることができるだろう。これをオペレーションと呼ぶこともできる。電子部品メーカーであれば、顧客のニーズを見ながら製品を開発し製造して販売する、そしてその裏で研究活動を行い技術革新を実現し、その新しい技術を用いて新たな顧客のニーズを捉えたり、コストを大き下げる、といったことが当該企業のオペレーションであると見ることができるだろう。この会社の経営者が突然、いなくなったとしても多少の問題は発生するかもしれないが、ほぼ上記の活動は支障なく続けることができるだろう。しかし、例えば付加価値の源泉が(半導体業界で起きたように)従来の製造能力ではなく研究開発になり、製造は圧倒的な規模を持った製造専門会社に外注する、といった判断はオペレーションを続けているだけではできないだろう。あるいはこれまでリーチできなかった地域に参入する、あるいは直販だけでなく商社を使う、といった変化もまたオペレーショナルな活動では実現できないだろう。そして事業環境が変化しているのに、それに対応する「オペレーションを超えた変化」を起こさなければ、やがて当該企業は競争力を失うことになり、その責任は経営にあると言えるだろう。一時は世界的なシェアを有しておりその背景には技術的な優位性があったにも関わらずやがて事業環境の変化についていけずシェアを落としたといった企業は、「変化を起こすのが経営の仕事」という発想で見ればそれは経営が悪かったと言えるし、逆にそこで売上高(と利益)を大きく延ばした会社は経営が良かったと言えるだろう。

 

「経営」という表現をすると捉えどころがなかったり感覚的でなかったりするが、経営とは「オペレーションに任せていては起きない変化を起こすこと」というように捉えて考えると、経営とオペレーションの区別ができ、経営課題を考えられるようになるだろう。