トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

中途アソシエイト組に関して

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最近は以前にも書いた通り大分、新卒入社組のパートナーが各社、増えた印象がある。一方で以前よりも中途でアソシエイトとして入社した人たちが苦戦している印象もある。そこで自分なりに中途でアソシエイトとして入社した人たちにとって参考になることを書いてみたいと思っている。(なお、中途アソシエイト組が苦戦してる理由は、新卒からコンサルティングが10年位前から大分、一般的な選択肢となったため、能力的にコンサルに合う人は新卒時点で入社している人たちが増えているためと推測している。)

 

まずは入りたいプロジェクトに入れなくても腐らずにアサインされたプロジェクトには全力を出しつつ、めげずに「社内就職活動」に力を入れることである。このように述べている背景としてアサインメントをする側からすると中途アソシエイト1年目は一般論としては「割高」なため、中途アソシエイトは入りたいプロジェクトに入りにくいのである。結局のところ、プロジェクトにチャージされる金額が入社して半年のアソシエイトと新卒から数年アナリストをやって昇進したアソシエイトではどう考えても後者の方がはるかにパフォーマンスが高いため、ほぼ迷わずに後者を選びがちである。よほど前職の経験がプロジェクトのお題とドンピシャで無い限りは中途アソシエイトの前職での経験は直接的にはあまり役には立たないのである。そのため、構造的に中途アソシエイトは人気のプロジェクトには入りにくい。しかしそこで腐った態度でアサインされたプロジェクトに臨むと(信じられないかもしれないが、結構そのような人は居たりする)、当たり前だがパフォームせずに負の循環が回り始める。また「社内就職活動」をするときもあまり選り好みせずに、前向きな姿勢を維持するべきである。もちろん希望を伝えることは大事であるが、上記に述べた通り中途アソシエイト一年目、特に前半は仕事を相対的に選びにくい立場にあることは理解して、選り好みをせずにどの仕事に対しても前向きな姿勢を取るべきだろう。(これも当たり前のようで案外、そうではない態度の人も多い。)

 

ハードスキルという面でも少し注意が必要である。(以前から述べているがいわゆる「スキル」というものを過度に意識するべきではないと思っていることはここでも予め述べておく。)分析(エクセル)、スライド作成(パワーポイント)といったいわゆるハードスキルに関しては「それらを得意になろう」と思うよりは「アソシエイトとしての最低限のスキル、そして将来マネージャーになったときに品質担保できるだけのスキルを身につける」という発想を中途アソシエイト組は持つべきだと一般論としては思っている。そもそもこのようなものは経営コンサルティングの本質ではないため原則としては瑣末なことであるが、とはいえ様々な場面でハードスキルがプロジェクトのデリバリーの質を大きく上げることもあるし、また次のプロジェクトに繋がること、あるいは提案で活きることもある。しかし、このあたりの領域に関してはやはり20代前半からやってきた新卒アナリスト組の方が概して得意なことが多い。そのため無理にそこを伸ばして得意技にしようとするよりも、最低限を身につけると割り切った方がいいだろう。ただしマネージャーになったときはチームメンバーの品質担保が必要となるため、アソシエイトのうちからも「品質担保という観点からはどのような点に気をつけるべきか」という視点でハードスキルを考えるべきだろう。

 

また一般的には中途アソシエイトは「少し長目にアソシエイトの経験を積んでからマネージャーになった方がいい。経験がないとやったことのないお題のプロジェクトをマネージャーとしてやると辛い」と言われる。これはこれで理解できるが、違う発想もあると思っている。具体的にはなるべく早くマネージャーロールをできるようになることを目指しマネージャーの期間を長くすることを目指す、というものである。根底にある考えは、プロジェクトをアソシエイトとして経験するのとマネージャーとして経験するのでは学べるものが異なるため、やったことのないお題のプロジェクトをやって苦労するなら、どうせならマネージャーとして経験した方が後に繋がる学びが大きい、というものである。これはどちらも一長一短があり、またそもそも早くマネージャーロールをできるかは自由意志の問題だけではないため、考えすぎても詮無い部分はあるが、このような発想があることは頭の片隅に置いておいても損はないだろう。

 

最後にマインドセットに関してである。この仕事はジュニアなうちに「踏ん張って考える」ということを体得することが大事だと思っており、そのため一定期間、具体的には1.5年から2年程度は精神的に仕事に集中する期間が必要だと思っている(これは必ずしも労働時間の問題ではない)。一方で、20代前半に比べてアラサー以降は、そもそも集中力が落ち、プライベートでも家族なども居たりして人生の複雑性が増しており、また交友関係も広がるため、なかなか仕事だけに集中しにくいことが多い。しかしだからこそ最初の1-2年は上記を意識し、自分を律する姿勢が必要だろう。

 

中途アソシエイトは独自の苦労は存在する。そのためこの職業に就いたならば最初のうちは少しだけファームにおける働き方を意識してもいいかもしれない。