トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

マネージャーロールに関して

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先日、マネージャーロールを最近やり始めた同僚から「チームメンバーに仕事を振るにはどのようにするべきか?」といった相談を受けた。細かく作業単位まで落とし込んでから振ると、担当者は「作業屋」感が出てモチベーションが下がるし、一方でざっくりと振ると十分な品質の成果物が出ずに結局手直しをする、ということであった。これは典型的なマネージャーが直面する課題の一つだと思っている。そこで以下では自分なりの考えを述べていきたい。

 

まず最初に心構えとして「仕事を振る」という単語は絶対にするべきではないと思っているし、私はそのような表現はしないようにしている。根底に持つべき思想は、マネージャーはあくまで役割でありヒエラルキーはないと考えるべきである。(以前にも書いたが、マネージャーの仕事は人ではなく仕事をマネージするのである。)そのため一見細かい言葉尻に見えるかもしれないが、仕事は「振る」ものではなく「依頼する」ものというべきである。依頼であればより対等な表現となる。

 

これはやや抽象的な話であったが、より具体的には私は仕事の依頼するにあたっては必ず下記の6点は伝えるようにしている。
●仕事の背景
●仕事の目的
●仕事の成果物イメージ
●アプローチ
●期限
●目安の時間

 

どれも一見当たり前に思えるかもしれないが、いくつかのコツがある。まず期限とは似て非なる目安の時間がある。この背景にある考え方として、特に若手はモチベーションが高く真面目なため「無駄に頑張ってしまう」ことがある。つまり本来は15分探してなければ諦めて代替案を一から考えるべきところを何時間も時間をかけてしまったり、あるいは数行のテキストで十分なものに対して数十枚のスライドを書こうとしてしまったりすることがある。それを避けるためにも、期限とは別に掛かる時間を大まかに伝えるべきである。

 

ここで重要なのはどんなに仕事ができる人であっても必ずこの6点はカバーすることにしている。必ずである。ただしその説明の粒度は依頼する相手の実力に応じて変えるのである。もしも実力のある人であれば一言づつしか説明しないし、逆にかなりジュニアな人であれば一つ一つを丁寧に相手に反応を見ながら説明するべきである。ただいずれにせよ、必ず平仄を合わせるためにこの6点はカバーするべきなのである。

 

また冒頭の作業屋vs品質担保問題に関しては結局のところ「成果物のイメージ」のコミュニケーションでコントロールするしかないと思っている。当たり前ではあるが、実力が不明な人、あるいは心配な人に対しては一緒に議論して成果物イメージを紙やホワイトボードを使って丁寧にすり合わせるべきである。その際のコツとしては仮に自分に答えがあったとしてもそれはあまり前面には押し出さずに、仮説は持ちながらもあくまでも相手と議論して決めることで相手への納得度も増して作業屋感は薄れると思っている。

 

また成果物のイメージとアプローチに関してはマネージャーが具体的なイメージを持っているのは当然としても、それは初期的なものであり、相手にも頼るべきだと思っている。特にアプローチなどは担当者の方が入手可能なデータなどに詳しい場合も多いので、あるいは単純に相手の方が得意な領域であることもあるため、マネージャーはアプローチと成果物のイメージの仮説を持っていてもあくまでもそれは仮説であり、相手の方が優れたアイディアを持っているかもしれないということは常に意識するべきである。

 

色々と書いたがマネージャーロールを務めるにあたっては上記のようなことは意識しておいてもいいと思っている。