トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

報告書の密度

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仕事の進め方は原則としては①論点を設定しそれを分解する、②仮説と検証方法を設計する、③実際に検証する、④検証結果を基にストーリーを作り上げる、というステップでありこれが論理的には正しいと思っている。ただ一旦それらを忘れ、また戦略プロジェクトに限ると自分の中では作業レベル概ね以下のような流れになると思っている。(作業レベル、と書いたのはあくまでは原則としてはこれから述べるボトムアップのやり方ではなく、トップダウンの仮説ドリブンなやり方の方が望ましいためである。)

 

【①定量中心の情報を落とし込む】
まずは論点に沿った当たり前のファクト(市場規模とかシェアとか競合の動き)をとりあえず紙(スライド)に落とす(グラフなどが中心)。この段階ではスライドの「密度」がスカスカとなっている。例えば市場規模を見せるときに単なる右肩上がりの棒グラフだと伸びていることくらいしか分からず、情報量が薄いことが多い。

 

【②定性中心の情報を追加する】
次にさまざまなソースからより定性的な情報を取得し、それをうまく既存の紙に入れ込み情報の奥行きを作る。定量的な数字の背景にある力学などを定性的な情報として追加することで、より立体的に理解できるようになる。例えば先の市場規模の上昇の要因を付加することで数字だけよりも説得力が増す。

 

【③情報を統合し情報密度を高める】
次に論点とその答え、そしてそのコミュニケーションを意識しながら、論点とストーリにあった形で手元のファクトを再構築する。特に多いのが「スカスカの密度の薄い」チャート同士を文脈に合わせて組み合わせ、さらに定性情報を付加することで、密度が増す。

 

【④情報を纏めストーリーを築く】
①~④はかなりボトムアップであるため、大量のスライドはできるし一個一個の話は密度が高くて面白いが、往々にして「情報量が多すぎて結局全体としては何なのかが分からない」状態になる。それを避けるために①~③ができた段階で「まとめスライド」のようなものを作り、1枚のスライドで全体感が分かり、かつ全体のストーリーが分かる、そういった「まとめスライド」が必要になってくるだろう。

 

先ほども述べた通りこのやり方は非常にボトムアップであり、必ずしも教科書通りではないと思われる。しかし仮説思考も結局のところ行ったり来たりしながら考えるのが常であり、理想的な問題解決の流れで進むわけではない。そのため上記で述べたようなやり方でボトムアップなやり方で「どっぷりとコンテンツに浸かりながら考える」時間を設けることも必要だと思っている。またその際は「情報の密度」のようなものを意識してみるといいかもしれない。