トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

今の情報だけで論理を構築する

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多くのビジネスにおいて論理の構築は重要である。しかしビジネスにおける論理の厳密性はアカデミックの世界と比べるとはるかに緩い。そのため特に理工系の経験のある人たちからするとどうしても違和感を感じることが多いようである。そのときの一つのコツとして、「今ある情報を真として、かつそれだけで判断すると何が言えるか」という視点を持つことであると思っている。結局、ビジネスにおいてはさまざまな見方ができるため、一つの見方では例えばある事業の競争力を示唆していても別の見方をすると真逆の結論になることも多い。もちろん複合的な視点を持つことが重要であるが、まずはそのための第一歩としてある視点で見方を作り切ることが大事である。そのためには一旦、ある情報だけを真として一つの意味合い(以前に書いた通り行動に繋がる情報の解釈)を出すことが重要である。

 

例えば衰退市場で業界上位だが大赤字を出している製造業の立て直しの戦略を考えるときには戦略オプションとしては①コストをとにかく削る・開発も原則として止める、②規模を縮小しニッチニーズを見つけてそこだけは開発をする、③隣接市場にいく、④撤退する、あたりが論理的には考えられる。そしてそのとき自社・競合の利益率の加重平均をとった業界利益率が著しく低いという事実があったならば、その情報だけからは「①はオプションとして成り立たない」という示唆が出せる。もちろん①でもたまたま当社だけが構築できる特殊なコスト優位性が存在しないかと言われればもしかしたら存在するかもしれないし必要に応じて検証はするべきかもしれないが、上記の情報「だけ」からはこのような結論が出せるだろう。

 

重要なのは情報の正確性や網羅性が不十分なことを言い訳にせずに、意味合いをひとまず出す、という思考の規律を持つことである。