トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

性格が悪い?

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昔、同僚が冗談めかして今働いているファームの社員を「性格がいい・悪い × 仕事ができる・できない」の2x2のマトリクスにプロットすると「性格が悪く仕事ができる」または「仕事はできないが性格はいい」のどちらかの象限にしか当てはまらない、と言っていた。(彼自身は例外的に「性格が良くて仕事ができる」象限に属すると主張していた。)これは半分は戯言ではあるが、もう半分は案外真実を突いている気がしている。つまり「性格の悪さ」と「仕事のでき」には比例関係がある、という点がある面では的を得ているのではないかということである。

 

プロフェッショナルファームにおいては、(おそらくより広く頭脳労働においては)独自の意見を持っていることが求められる。常に「私も同じ意見だ」と言っているだけだと付加価値はなく、これまで人が考えていなかった視点や意見を述べることが求められる。そのためには健全な批判的思考、いわゆるクリティカルシンキングが求められる。人と違う意見を出すための一つの有効なアプローチとして人の意見を(健全な)批判的な視点から見ることが挙げられ、プロフェッショナルファームの人たちは多かれ少なかれこの視点で人の意見を聞いている。ジュニア時代にお世話になったマネージャーも社内でとても仕事ができる人のことを指して「あの人は『相手が言っていることは絶対に間違っている』と思って聞いている節がある。やられる方は結構辛いが、やはりこれによっていい議論ができる」といった旨を言っていた。クライアントでも対しても同様で、クライアント企業と同じことしか言えなければコンサルティングをする意味がなく、相手が考えていなかったことを見つけるためには、「クライアント企業をもっと良くできる」と考える必要があり、これはやや語弊があるが「クライアント企業が今やっていることは間違っている」という視点をある意味で持つ必要がある。

 

このような思考方法に慣れると当然、日常生活においても同様の思考を当てはめがちであり、結果として「性格が悪い」というレッテルが貼られてしまうのだろう。プライベートはもちろん、仕事の上でも度が過ぎたりやり方を間違えると不要な衝突が生まれるが、健全な批判的思考は独自の意見を構築し付加価値を提供するためには必要なのである。