トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

10億円を作る道筋(プロフェッショナルファーム編)

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前回に続き資産10億円を築く道筋に関して述べていきたい。今回は勤め人として築くパターンである。(念頭には投資銀行コンサルティングファームなどのプロフェッショナルファームがある。)

 

これは結論からするとかなり細いパスであると言わざるを得ないだろう。いくつかのファクトとシミュレーションを共有していく。まずは勤め人で10億円の資産を作ろうと思うと、少なくとも年収1億円は必要であろう。しかし勤め人で年収1億円以上を得ている人はわずか7,400人しかいない。これは勤め人(給与所得者)の0.013%である。実に7,800人に一人の割合である。東京23区で最も人口の多い世田谷区の小学校1学年の児童数が大体6,000人なので、イメージとしては世田谷区の100m走の区大会で1位になるくらいの難易度である。別の例えをすると、東大医学部または京大医学部に入るくらいと難易度、とも言える。因みに1億円以上の報酬がある場合は有価証券報告書にて報告が義務付けられている上場会社の役員で1億円以上の報酬を得ている人数は600名程度である。つまり年収1億円以上の給与所得者に占める上場会社の役員の割合は10%以下であり、大半は上場会社の役員以外であり、ヘッジファンド、PEファンド、投資銀行コンサルティングファームなどといったプロフェッショナル職に就いている人たちであると推測される。(上場会社に関してはあくまで取締役なので、いわゆる執行役員などの幹部で1億円を得ている人はこの数には入っていない点は念頭に置く必要はある。)

 

しかし年収1億円になったとしてもまだ安心できない。税金が50%程度あるためである。またこれくらいになると流石にお小遣い月3万円といった生活ですることも考えにくい。もしも①年収1億円(手取りは5,000万円程度)、毎年10%増加(15年後には年収3.8億円)、②月100万円消費。毎年5%増加、という仮定をすると10億円を貯めるのに13年掛かる。因みに投資ファンドの幹部や投資銀行のMD、コンサルティングファームのパートナーには当たり前ではあるが高給に見合っただけの働きが求められ、それを13年続けるのはかなりの至難の業である。(なお彼らが果たして1億円の年収があるか否かはコメントしないでおく。)また上場会社の役員であれば、任期があるためこれを10年以上続けるのはかなり難しいだろう。なお月100万円を月50万円に落としたとしても12年掛かるので節約はほとんど影響はない。

 

では貯金を投資に回したらどうだろうか?仮に貯金を全て投資に回し、10%のリターンが毎年出たとしても10億円の資産ができるまでに11年掛かる。(これは月100万円を消費する場合である。月50万円なら10年となる。)結局、投資をしても税率が20%掛かるので思ったほどは貯蓄スピードが加速されないのである。なお簡単に10%のリターンが出したとしたら、と書いたが、そもそもこれは非常にハードルが高い水準である。先週、日経電子版で紹介された2005年から活動するヘッジファンドのハヤテインベストメントで年率13%のリターンなのでプロのヘッジファンド並みに収益を安定的に15年も上げる必要があるのでこれはかなりの難易度と言っていいだろう。

 

年収1億円を達成したとしても「そこから」15年くらい働いてようやく資産10億円を築けるのである。(実際には税率の低い退職金などもあるので、もう少し早い可能性もある点は述べておく。)勤め人として資産10億円を築きたいなら、プロフェッショナルファームなどでかなりシニアなポジションになる覚悟がいるだろう。