トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

昇進するために

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言うまでもなく昇進は結果であり、それを目標にするべきではない。現実問題として勤め人である以上、昇進を気するのは仕方ない部分はあるが、それでも気にしするべきではないだろう。あくまでもパフォーマンスを出すことに集中し、そうすれば自ずと職位も付いてくると考えるべきだろう。そしてパフォーマンスを出すためには、結局のところ再三述べている通り感情に従って好きな人たちと好きなことをすることが最も近道である。さはさりながら、企業は組織である以上、組織の中での振る舞い方が昇進に影響を与えることもも否めない。私はその中でもポジショニングとブランディングは大事であると思っている。

 

まずは組織における自分のポジショニングとは、具体的には自分は組織の中において何が相対的に得意なのかを見極めることだろう。例えばいくら自分が新規事業立案が好きでかつ自分自身の中では得意であったとしても、そもそもそのような案件が著しく少なかったり、あるいは案件は多いが他に自分よりも上手い人たちがたくさんいたとすると、その領域で戦うのは賢明ではないだろう。自分が他の人よりも得意でかつ需要がある分野を見つけるべきである(これは概念的にはかの有名なBCGのプロダクトポートフォリオマトリクスの二軸と同じである。つまり前者は横軸の相対シェア、後者は縦軸の市場成長率である)。これは戦略論でいえば典型的な"Where to compete"を見つけることであり、事業戦略だけでなくキャリアにも当てはまるのだろう。

ブランディングに関しては選択した領域は自分が一番詳しいと社内で知られることである。ここにはある種の強引さが必要で、例え最初はそこまで詳しくなかったとしてもあくまで「自分の専門はXXXである」と言い続け、そのように認知されることが大事である。一度、そのように認知されると結果的に仕事や情報が集まり、正の循環が生まれる。

 

ある中途入社のパートナーの例を挙げる。この人は前職はある業界のの研究者をやっていたが、入社後はそれとは全く関係のない業界を担当してきた。しかしマネージャー時代に前職時代の業界を担当するという一大決心をした。(なお、この頃は彼のパフォーマンスは低かった。)この背景には彼自身はこの業界が好きだったことに加えて、当該業界の案件は決して多くはないものの「パートナー一人分くらいは食える」程度の需要はあると読み、かつ東京支社では他に詳しい人間がいなかったため、彼なりの活路をここに見出したのである。とはいえこの業界は決して大きな業界ではなかったために、多くのシニアパートナーからは大反対されたとのことであるが、それを彼は押し切った(これはかなり強い意志が必要である)。また社内では「自分はXX業界の専門家です!」と言い切ってセルフブランディングをしたのである。その結果、その決断をしてから比較的早くパートナーになり、そこからそれなりの年数をパートナーとして過ごしている。組織の中で働く以上、やはりポジショニングとセルフブランディングは必要なのである。

 

繰り返しになるが、昇進はあくまでも結果であり、キャリアの選択はやりたいこと・好きなこと、つまり感情を基に決めるのがいいと個人的には思っている。しかし組織にいる以上、頭の片隅には自分自身のポジショニングとブランディングを考えておいてもいいかもしれない。