トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

パフォームしない者、去るべし

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極私的なエントリ。

 

私はプロフェッショナルファームであれば3年で10-20%くらいの人が絶対評価で首になるくらいの厳しさがちょうどいいと思っている。(実際にはファームにもよるがそこまでではない印象。)プロフェッショナルファームでパフォームしない理由は、純粋に能力的なものもあれば、どちらかというとやる気の問題のときもあるが、どんな理由であれパフォームしない人は去るべきだと思っている。厳しいがパフォームしない人がファームにいることはクライアント企業への価値提供を損なっているし、また他の同僚たちの成長機会を奪っているのであり、コストなのである。また本人にとっても合わない仕事を続けるよりも他の場所を探した方が長い人生でははるかに幸福だろう。またパフォームしないのはあくまでもこのファームで、あるいはその職業でしないのであり、別にビジネスパーソンとして能力が低いわけではない。そもそもプロフェッショナルファームに来るような人は根本的には職業人としての基礎的な能力は高く、またやる気がある人が多い。これは綺麗ごとではなく、プロフェッショナルファームでパフォームしなくても他の場所で活躍したり、大金持ちになっている人たちは枚挙にいとまがない。

 

なお、この前提にはファームは人を正しく評価できること必要であるが、これは数年スパンで見ればかなり正しくできていると思っている。多少、能力ある人が評価されなかったりその逆が発生したりするが、数年の時間軸では落ち着くところに落ち着くのが個人的な体感値である。

 

私自身、今の職業はそれなりの年数続けており、いまのところは一貫してパフォーマンスは高いと自負しているが、過去には違う職業であまりパフォームしなかったことがある。その職業では何とか自分の給料にバックオフィスのコスト、さらには会社の利益を載せたくらいの、つまり最低限の貢献はしていたとは思うがそれでもお世辞にも自分のパフォーマンスが高かったとは言えなかった。これは単純に苦しい経験であったし今でも当時のことを思い出すと心がざわつくし心地良くはない。その中でも特に、何をすれば自分のパフォーマンスが上がるのか、皆目見当がつかなかったことは苦しかった。未来が見えないのである。もちろん当時、色々と思うところはあったし今でもある。自分はその職業よりも前の職場ではパフォーマンスは高かったほうであり、またそれ以前と当時の職業ではいずれも似た能力が求められる職業であったため、その職場は(自分という)高いパフォーマンスを上げてきた人材を十分に有効活用できていないとも見ることもできた。つまりファーム側にも問題があるのではないかということである。それはそれでないこともないとは思うが、それでも結果は結果であり、また個人のパフォーマンスは最終的にはファームではなく個人が責任を負うべきであり、パフォームしないならば去るべきなのである。実際にそのような理屈もあり自分はその職場を去った。「プロフェショナルとしての責任を取った」と書くと非常にカッコよく見えるが、実態としてはパフォームしないという苦しみから逃れたかった、というのが本音だろう。辞める際は有難いことに引き留められたし、辞めてから数年してからまた戻ってこないとも声を掛けられたし、今でもその職場でお世話になった人たちとは付き合いはある。もちろんその職場にはとても感謝をしている。ただ自分は当時の願望とは異なり、現実には残念ながらその職業には合わず、パフォームしなかったのである。ただ、今振り返ってみると今の職業の方が自分にとっては合っておりまた楽しく、仮の当時の職場で圧倒的なパフォーマンスを出していたとしても、そこにいるよりも今の職業の方が自分の人生にとっても良かっただろうとは確信している。つまりその職業は自分には合わなかった訳であり、今の職業は合っているのである。


これまでは過去の話であったが、将来を見ても自分は再び似たような経験をする可能性はある。いや、むしろ確率的にはその可能性の方が高いとも言える。今の職業では理論上、常に首になる可能性はあり、特にシニアになればなるほど要求水準が高くなるため評価が厳しくなるし結果として首になりやすい。そのため、もし自分から今のファームを辞めないのであれば、いずれは首になる可能性の方が高いだろう。今の職業を続けるということは、再び苦しい経験をするかもしれないということを受け入れているのである。


プロフェッショナルな職業は厳しく、またそうあるべきだと思っている。もし自分がパフォームしていないなら、まずはパフォーマンスを上げるための努力をするべきだが、それでも向上しないならば去るべきである。これは口で言うのは簡単であるし、プロフェッショナルファームにいる人はそれを理屈では理解している人が多いと思うが、それがどのように感じるかは多少は想像しておくべきだろう。実際にそれを経験した身からするとそれなりに辛いことなのである。またパフォームしなかったということは厳然たる事実であるため、その事実は自分の中で消えることはない。その経験を通じて得た心の傷(と書くと大げさではあるが)は本質的にはなくならないのであり、単純に時が経ち心が癒える、つまりその時の感情を忘れるのを待つしかないのである。プロフェッショナルファームで働くならば、そのような負の感情に直面するかもしれないという覚悟を持っておいてもいいかもしれない。