トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

リソースを言い訳にしない

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私はコンサルティングプロジェクトを進めるにあたってリソース(平たく言えばプロジェクトメンバーの時間)を言い訳に何かをやらないことは最悪だと思っている。「リソースが足りないからできません」「リソースが足りないからスコープを絞るべき」などである。もちろん私は根性論者ではないし、ライフスタイルは重視するべきだとも思っている。人生において仕事は大事だと思っているが、仕事だけではない。そして実際にこれまでそれなりの年数、この業界にいるが相当労働時間は短かった自負はある。しかし少なくとも私自身、リソース不足を言い訳になにかをできないと言ったことは(記憶が美化されているだけかもしれないが)ほとんどないと思う。

 

リソースを言い訳にするのがダメな理由は大きく分けると二つある。一つはWhatではなくHowから入ってしまっているからである。この仕事は(そして大半の仕事は)あるべきこと、やるべきことをまずは考えることが求められる。その際に重要なのは一旦はHow、つまりどうやってやるか、手段は横に置き、あくまでもあるべきことに集中することである。少なくとも手段を何をやるべきかの制約条件にするべきではない、もちろん、Whatが決まったらHowも考える必要がある。以前にも書いたがHowを現場に丸投げするべきではなく、必要に応じてHowの問題解決もするべきである。しかし往々にしてWhatを議論しているときにHowの話を導入し、議論が濁ってしまうことである。

 

もう一つの理由はHowを議論するとき、つまりHowの問題解決をするときであっても、リソース不足を理由にするのは問題解決志向ではなく思考停止しているからである。もちろん現実問題としてリソースの制約はある。それは認めるべきである。しかし仕事の目的はあくまでWhatを達成することであり、そのための手段は一つではない。もしもリソース不足が理由に想定していた手法が無理ならば新しい手段を考えるのが仕事であり、「リソースが足りないからこれはやらない」というのは職務放棄といってもいい。ほぼ100%、Whatを達成する方法を真剣に考えれば、より簡便的な方法、例えば正確でなくても方向性が分かる程度のことならば、見つかるのである。そしてこれをクライアントに事情とともに予め説明・提案すれば、大抵の場合、解決する。以前にも書いた通り私はプロフェッショナルサービスに関しては徹底的な性善説に立つべきであり、合理的に説明責任さえ果たせればクライアントは納得すると思っている。

 

プロフェッショナルファームの仕事は必ずしも楽ではない。特に現場を取り仕切るマネージャーは忙しい。しかしどんなに忙しくてもリソース不足を言い訳にすることは問題解決志向ではないため、してはならないのである。