トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

自ら仕事を打ち切る

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以前にあるクロスボーダーの買収後の統合案件でいわゆる総合ファームのPMI部隊と一緒に仕事をしたことがあった。あるシナジーの発現に関しては私が所属するファームが担当し、それ以外は当該総合ファームが担当するという仕切りであった。しかし結果的にこの総合ファームは当初の予定よりも大幅に早く契約打ち切りになった。

 

これには二つの理由があったと思っている。一つ目は単純に仕事っぷりが酷いものであった。議論はプロセスに終始し、社長との打ち合わせにおいて延々と段取りの話と一般論を話だけをし社長に怒られる始末であった。また買収先の企業との議論に参加しても丸二日間で30分ほど例によってプロセスの話だけをし、またクライアントから先方(日本語は当然読めない企業)に共有するための議事録を求められても日本語で提出するという常識外れの対応をしていた。他にも多くの目を疑うようなレベルの仕事をしており目も当てられない様であった。

 

しかしより根本的にはそもそもできる仕事が殆どなかった、ということが挙げられる。本件ではある部分のシナジーが大事であり、それ以外は殆ど統合させないという計画であった。そのためそもそも統合の仕事がなかったのである。これはこの総合ファームが悪いだけでなく、当該クライアント企業の依頼の仕方にも問題があったと思っている。しかしそのような状況になった以上はこのファームは早く自ら、コンサルティングファームを雇ってまでやるべき仕事はなく契約も打ち切るべきだ、と申し出るべきであったのである。クライアントの利益を考えたら費用を無駄に使うサービスは打ち切るべきなのである。

 

仕事を自分から打ち切るというのはある種、自分の存在意義を否定することであり、必ずしも簡単なことではない。しかしプロフェッショナルとしては必要に応じて仕事を自ら打ち切るべきなのである。それがプロフェッショナルの義務だろう。