トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

勝ち筋を前半1/3で見つける

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私は戦略プロジェクトは前半1/3で基本的な骨子を作り上げ、残りの2/3は細かな残論点の検証に費やすべきだと思っているし、概ねその時間軸でやってきたつもりである。少なくとも上手くいった、と思えるプロジェクトはほぼ間違いなくそのような感じであった。6週間のプロジェクトであれば2週間終わった段階で主要な論点に関しては仮説ではなく粗々には検証されておりプロジェクト全体のストーリーは固まっているような状態である。もちろん一口に戦略プロジェクトといっても性質は異なるので一概には言えなく、中には4週間のプロジェクトで最初の1週が終わった段階でここに到達したものもあれば、半分くらいでようやく到達したものもあるが、1/3は自分の中では一つの目安と言っていい。これは私が所属するファームの中ではかなり早い方ではあると思うが、それくらいを目線として持つべきであると思っている。

 

そのためにはいくつかのコツがあると思っている。まずは当たり前ではあるが、検証する論点を明確化するべきである。ただその時に論点を細かく分解しすぎないことである。いわゆる問題解決の本などでは論点→サブ論点→サブサブ論点のように分けるべきである、といった記載があるし抽象化すると正しいとは思うが実務的には構造化よりもとにかく5-7点のややざっくりとした論点に絞ることである。5-7点以上の論点は細かすぎと一人の人間の頭には入らないのである(以前のマジックナンバーに関するエントリ参照)。

 

次に論点に対する答えの背景にある力学(ダイナミクス)をストーリーとして語れることである。これは色々と調べたことの関係性を有機的に繋げ、その力学を動的に語れること、とも言える。つまり「顧客のニーズがXXからXXに変化していて、競合はXXからXXに移っているが、するとXXというニーズが生まれ、そのニーズをXX社はXXという方法で取っている」、といった具合である。これは物事の動的な関係性が重要なため、過剰に簡素化して説明するのではなく、ある意味で多少冗長でも問題ない。力学を動的なストーリーにすることで事象を立体的に理解でき深みが増す。またそもそも人間は基本的にストーリーでしか物事を理解できない。

 

またストーリーを考えるときは自分が面白いと感じるか否かが大事である。自分が面白いと思えないなら、ほぼ間違いなく思考の練りこみが不十分であることを示唆している。自分が面白いと思える内容であれば、それはクライアントにとっても面白い、言い換えると新しい視点である可能性が非常に高くそれは大きな価値となる。最初の1/3で何個かの面白さがあれば目処が立ったと言っていいだろう。

 

あとは下手に様々な分析をするのではなく、シンプルなファクトをちゃんと構造化し提示することだろう。単純なファクトだけ提示すると、それは一見自明すぎてわざわざ言及するまでもないと思いがちだが、正しい構造・流れ、言い換えると先の動的なストーリーの中の正しい場所にシンプルなファクトを提示することが大事である。不必要に加工度の高い数字や分析を見せるのは時間の無駄である。

 

戦略プロジェクトでは前半1/3で目処が立っているべきなのである。