トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

無理難題を要求されたら

スポンサーリンク

アドバイザリー業をしているとたまにクライアント(含む実務担当)から一見、無理難題を言われることがある。当初合意したものからスコープを広げる、厳しい時間軸を設定する、検証不能な論点に対する解を要求する、などがその典型である。そんな時に最もやってはならないこととして、防衛的になりとにかく先方の要求を跳ね返すことである。これは最もやってはならないことでありながら、一方でそういった反応をしがちである。また感情的にもなりがちである。一度、合意したことをひっくり返すなんて非常識だ、といった反応である。

 

しかし、そんな時に最も大事なのは一旦は徹底的に性善説に立ち、クライアントの要求は正しいという前提に立つことである。クライアントは決してサディスティックにコンサルタントをいじめたいわけではない。そこの背景には言語化・表層化されていなくても、必ず合理的な理由が存在すると一旦信じることである。また同時にコンサルタントの仕事はクライアントの言われたことをこなすことでは決してなく、クライアント企業が抱える課題を解決することであることを思い出すべきである。その見地から状況を見るとほぼ間違いなく、無茶な背景には腹落ちできる理由が存在することに気付く。逆にもし腹落ちしていないのならば、それは背景理解が足りないことを示唆している。「確かに合意したこととは違うかもしれないけれど、それは仕方ないことだな」と思えるはずだ。

 

このように背景の理解ができたら問題はほぼ解決できたも同然だ。あとはその背景を踏まえた上でクラアイアントおよびコンサルタント問わず、共同チームとして何を現実的な範囲でするべきでかを考えればいい。そしてもしもどう考えてもクライアントの要求に答えられないならば、「クライアント企業は決してコンサルタントを困らせたいわけではない」という性善説の元に素直にすれは難しく、代案を示せばいいだけである。そうすれば基本的にはクライアントは納得する。どんなにシニアな人であろうと、あくまでクライアントもワンチームと思って接するべきである。

 

つまり「無理難題が要求される」→「跳ね返す」という短絡的なプロセスを踏むのではなく、「無理難題が要求される」→「背景理解」→「問題解決」→「(必要に応じて)跳ね返す」というプロセスを踏むのである。文字に書いてみると当たり前だが、案外切羽詰まった状況ではこれらを忘れがちである。あくまで性善説に立ち、クライアントの要求は正しいと思い、背景理解に努めることが大切なのである。