トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

「ラシュモア山での問い」

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「ハーバードからの贈り物」という本がある。ハーバードビジネススクールでは各講義の最終回に教授たちが学生たちに人生訓のようなものを話す習慣があり、それをまとめた本である。その中の一つのエピソードに「ラシュモア山での問い」というものがある。

 

これはある教授が11歳の娘と一緒にラシュモア山に行ったときの話である。ラシュモア山でその娘がそこに彫られた四人の顔(ルーズベルト、ワシントン、リンカーン、ジェファーソン)を見てその教授に「なぜこの四人が選ばれたのか?」という問いを発し、それに対して教授は「みんなの生活を変えたからだ」と答えたところ、続いて娘は「パパは誰かの生活を変えたのか?」という問いをして教授は思わず考え込んでしまう、という話である。

 

実は私自身、最近ある同僚の生活をほんの少しだけ良い方向に変えられたのではないか、という気がしてこの話を思い出した。この同僚は私が一緒に何回か働いたことのある人であり、転職を含めた相談に色々と乗ったなった末に、結局、海外オフィスに行くこととなった。そのきっかけとなったのは私が海外転勤プログラムを紹介したことであり、また私自身がこの同僚のプログラムにおけるスポンサーとなったためである。

 

この時は特段意識しなかったが、今考えてみると私自身はこの同僚のキャリアに大きな影響を及ぼしている気がしている。「もし」を考え始めたらキリがないが、もし私がこのプログラムを紹介しなかったら、この同僚は海外勤務にはなっていなかったし、また恐らくキャリアも相当変わっていたと考えられる。その意味では少なくともそれなりに大きな影響は与えたと言えると思っている。もしかしたらこれまでの私のキャリアでもっとも直接的に誰かに影響を及ぼしたことかもしれないと思っている。

 

仕事を通じて誰かの生活や人生を変える、ということは案外少ないようにも思える。特に直接的に顔の見える誰かの生活を変えることは難しい。しかし良い(と確信を持てる)方向に誰かを変えることができたならばそれは人生で誇れることなのかもしれない。「ラシュモア山での問い」と最近の出来事を思い出してそんな風に考えている。