トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

思考装置としての紙

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経営コンサルティングはパワーポイントをたくさん描く、と思われている。これはあながち間違っていないが、この仕事を始めてから最初に印象に残ったこととして手書きの紙を多く使うことが挙げられる。手書きの紙にも少し厳密に考えてみるといくつかの役割があると思っている。具体的には下記の3つの役割である。
●情報記録としての紙
●思考装置としての紙
●伝達手段としての紙

 

この中で私が大事だと思っているのはいうまでもなく二番目の「思考装置としての紙」である。頭脳労働においては思考の練り込みに大きな価値があるためである。そして紙を使うことで概念を視覚的に構造化することで思考は格段に深まる。(恐らく人間の脳みそは構造的に視覚的に考えるようになっているのだと理解している。)

 

ここでのコツはいくつかあるが、第一にとにかく紙を湯水のように使うことである。場合によっては線を一本だけ描いて、違うと思ったらすぐに捨ててまた新しい紙を使うべきである。紙をケチるのは頭脳労働者としては思考を放棄していることと同義である。理想的にはノート(有名だとオキナ プロジェクトペーパー)を数日で一冊使い切るくらいが目安である。(ある有名なコンサルタントは午前中で一冊、使い切っていたという逸話を聞いたことがある。)

 

次にとにかく視覚化にこだわることが挙げられる。これはよく言われていることではあり、今更挙げるまでもないかもしれないが、想像しているよりもはるかに視覚化の価値はある。どんな思考であっても、簡単なマトリクスにしたり、コンセプト図にしたり、ツリー構造にしたり、図表にしたり、と行った形で視覚化をするといい。

 

次にiPadなどの電子ペーパーではなく紙を使うことである。電子ペーパーは所詮一画面でしか見られないが、紙だと何枚も並べることができて紙の間の関係性を考えることができるが電子ペーパーではそれができない。一見、電子ペーパーは便利に見えるかもしれないが、思考装置としては紙を使うべきである。(なお、情報記録としてはiPadのメモ帳は便利だと思っている。)

 

何かを考えるときは常に思考装置としての紙を手元に用意しそれに描きながら考えてみると思考が深まるのである。