トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

踏ん張る

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プロフェッショナルファームで仕事し始めてそれなりの年数が経過している。ファームでさまざまな人と一緒に働き、また一部の人たちの評価にも関わるようになると、パフォーマンスの高い人とそうでない人をそれなりに識別できるようになる。個人のパフォーマンスを規定する要因はさまざまなではあるが、比較的共通して観察される要素として「どれだけ踏ん張れるか」というものがあるように思える。これは労働時間のことではなく、姿勢としてどれだけ物事を考え抜けるか、ということである。

 

プロフェッショナルファームがクライアントから貰う報酬はそれなりの金額であり、ジュニアであっても相当な金額がクライアントにチャージされているため、当たり前ではあるがジュニアであってもそれなりに高い品質のアウトプットを出すことが求められる。そして中途・新卒の有無にかかわらず働き始めたときその水準を満たすことはもちろんのこと、そもそもその水準を理解することに苦労する。そのため最初はまずはその水準を体感することが大事であるように思える。それを体得するには結局のところそれを意識しながら経験から学ぶしかないと思っている。つまり働き始めて最初の数年(1-2年)はとにかく「踏ん張って」考え抜くことが求められる。繰り返しになるが、ここでいう「踏ん張る」ことは必ずしも労働時間のことではない。徹夜をしたり深夜まで働くべきと言いたいのではない。むしろ長時間労働は悪であり、するべきことではないと思っている。重要なのは姿勢として品質に妥協せずに考え抜くことであり、それを習慣としてできるようになることである。労働時間がほとんど変わらなかったとしても、品質に妥協せずに一歩「踏ん張って」考えることで大きくアウトプットの質が上がることは多々ある。

 

そしてあくまで傾向ではあるが、これは若いうちほどできるように思える。30歳を過ぎると恐らく一つのことに集中することがしにくくなるし、またパートナーや子供がいたりと人生の複雑性が(ある側面では)増し、仕事だけに集中することが難しく、結果として「踏ん張り」にくくなるように見える。もちろん中途の中には非常にプロフェッショナルファームで成功した人も多くいるし、そもそもここで書いていることはどちらかというとプロフェッショナルファームの比較的ジュニアなうちに学ぶべきことであるため、中途、特に30歳を過ぎた人がダメだと言いたい訳ではない。ただ新卒であったり第二新卒くらいの比較的若い時期ほど「踏ん張る」ことを体得しやすいとは思う。無論、仕事に集中する、といっても趣味や交友関係を捨てることではない。あくまで心持ちとして仕事を優先することを指している。(私自身も最初の2-3年は仕事優先の生活だったとは思うが、それでも労働時間としてはせいぜい平均20:30終業だったし、運動もしたし、友人とも会っていた。)

 

プロフェッショナルファームに入ったのであれば最初の数年は仕事に集中し、とにかく「踏ん張ること」を意識して、求められる品質とそれをデリバーするために必要な思考体力を感覚的に理解することに努めるといいだろう。長い職業人生の中で僅か数年間仕事に集中することで、その後に繋がる大きなものが得られるだろう。