トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

新卒パートナー

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たまに「新卒でコンサルに入るとマネージャーくらいまではなれるが、結局パートナーになるのは中途が多い」みたいな主張を見かけることがある。これは言わんとしていることは解るが、やや雑な主張であると思っている。その背景にある自分なりの考え方を述べていきたい。

まず最近は新卒入社のパートナーもそれなりに各社増えており、またシニアパートナーも業界でぼちぼち出始めている。新卒でパートナーになる目安はアナリスト、アソシエイト、マネージャー、プリンシパルをそれぞれ2.5年とすると10年、MBAなどを挟むと12年前後となる。ここ数年でパートナーに新卒からなった人たちは、ちょうど2000年代中頃から各ファームがそれなりの人数を採用し始めた時期に入社した時期であり、それ以前に新卒コンサルのパートナーが少なかったのは、なれなかったのではなく単純に人がいなかっただけとも捉えることができる。パートナーからシニアパートナーは10年程度なので、1990年代半ばから後半に新卒でコンサルに入った人は相当少ないと考えられるので、新卒でシニアパートナーが少ないのも当然だろう。

 

次に新卒よりも中途がパートナーになりやすい、という主張に、新卒だと若すぎるからという理屈がある。経営コンサルタントのクライアントは経営者であり、一般的には50~60代が多く若くても40代後半であり、新卒だとこのような経営者と議論するには若すぎる、というものがある。これも自分も昔はなんとなくそう思っていたが、考えてみると5年の実務経験の後にMBAを取得して、そこからアソシエイトとして入社してきた人と新卒のアソシエイトでも年齢差はせいぜい4~5歳である。50代の経営者から見たら34歳だろうが38歳だろうがいずれにせよ自分よりもはるかに若いことには変わりなく、数年歳が上であってもあまり大差ないだろう。

 

もう一つの理由として新卒だと論理偏重になり、もっとクライアントの機微を読めない、ということが挙げられる。これは半分正しいと思っている。いうまでもなく、マネージャーとパートナーでは求められる役割が異なり、パートナーは単純に論理的に問題解決をするだけでなく、クライアント企業内の力学・政治や感情などに対する理解が必要である。ここまでは完全に同意であるが、ここからこのような機微は中途は読めて、新卒が読めない、というのは流石に乱暴な展開であると思う。もちろんクライアントと似たような力学が働く組織に在籍した経験から中途の人はそれらを新卒よりは読みやすいかもしれない。しかし中途の経験も先程述べた通り、せいぜいジュニアとしての5年程度の経験であり、言われているほど政治を読めるわけではないと考えている。新卒であっても、これらの理解を意識的に深めようと思えばできないことではないと思っている。重要なのはそれらの理解に努めることである。

 

合う合わないは割とはっきりしている職業ではあるが私は経営コンサルティングという仕事はとても気に入っている。興味のある人はあまり難しいことは考えずに新卒であっても応募してみるといいのではないかと思っている。