トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

経営コンサルティング批判に思うこと

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不思議なことだが経営コンサルティング業界はよく批判されるように思える。机上の空論である、虚業である、報告書がそのままお蔵入りになる、具体的な失敗プロジェクトを挙げる、などがその典型である。正直、自分自身はどのように言われても・書かれても全く気にならない。重要なのは私、あるいは私のファームに依頼するクライアントが存在し、彼ら・彼女らが我々の仕事に満足している限り、他でどう言われようと関心がない。しかしせっかくなので、少し経営コンサルティング批判に対する自分の考えを述べていきたい。

 

まず、そもそも経営コンサルティングを批判する人で本当に経営コンサルティングを理解している人は少ない。経営コンサルティングを理解していると言える人は経営コンサルティングファームと一緒に仕事をしたことのある経営者か、経営コンサルティングファームにパートナーとして所属したことのある人くらいである。たまに「経営コンサルティングファームがウチの会社に来たが全く役に立たなかった」という人を見かけるが、その大半は本当の依頼者である経営者ではなく、あくまでその経営者が経営する会社の社員である。経営コンサルティングファームに依頼するクライアントは一義的にはあくまで企業経営者であり、クライアントとして経営コンサルティングに関して評価できるのは経営者だけである。もちろん、現実的には経営者よりも部長級でも経営コンサルティングの直接の依頼者になる場合もあるが、いずれにせよ依頼する立場にいないと、経営コンサルティングの全体像を見えないため正しく評価できないはずである。現場は満足していなくても経営者は満足している、というときも良くある。

 

また経営コンサルティング虚業である、実業の役に立たない、といった批判も見かける。しかし考えてみると、1966年にBCGが日本に進出し、その5年後のマッキンゼーが日本に支社を構えて約50年が経過しており、その間に多少のアップダウンはありながらもほぼ一貫して経営コンサルティングの市場は拡大している。IDCによると日本の「ビジネスコンサルティング」の市場規模は今や4000億円近くである。このうちの何割が経営コンサルティングかは不明だが、いずれにせよ市場が生まれてから50年経過した現在は相応の規模になっていることは間違いない。もしも本当に無価値だとしたら50年間にもわたって市場規模が伸びることはないだろう。これは業界全体としては価値を出していることの傍証になる。もちろん、個別のプロジェクトで見ると失敗プロジェクトも存在する。有名な話としてマッキンゼーは1980年にAT&Tに対して携帯電話は2000年には90万台程度と予測したといった例もある。私自身も自分が担当したプロジェクトの中には残念ながら成果に繋がらなかったプロジェクトもあると思っている。しかし、少なくともマクロ的にはこれまで伸びてきたし、また今後も純粋な経営コンサルティングの市場はこれまで同様に増えていくと考えられるだろう。少なくとも減る理屈は浮かばない。

 

経営コンサルティングの成果は当事者でないとわかりにくい。しかし冷静にその構造を考えると、あるいは業界の動向を考えたら経営コンサルティングにまつわる批判の大半は的外れてあることが分かるだろう。