トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

将来予想の原則

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今の商売ではある事業の将来予測をすることが良くある。これは経営コンサルティングに限らず、さまざまな職業で似たような状況に直面することが多いと思う。事業の将来予測をする上で一つの典型的な手法は業界関係者に対してヒアリングを実施することが挙げられる。しかしそんな中で慣れている人、慣れていない人では圧倒的な差が開く。

 

最もやりがちなだが筋の悪いアプローチとして将来予想を直接訊き、その背景にある要因を理解することである。これは慣れていない人がやりがちである。例えばあるB2Bの製品の単価の予測をしたいとする。慣れていない人は「この製品の単価は将来どうなると思いますか?それは何でだと思いますか?」といった訊き方をする。そしてそれを10人分くらいまとめて平均値をとって、それを「業界の専門家の見解」とする。しかしこのアプローチはあくまで意見・仮説であり、ファクトではない。近代コンサルティングの基本はファクトベースコンサルティングである。正しい訊き方はファクトを取りに行く質問である。先ほどの例であれば、下記のような質問がファクトを取りに行く質問となる。

●過去、単価がどのくらい落ちてきましたか?
●直近、お客さんからの定期原価低減でいくらの低減を要求されていますか?
●過去、お客さんからの原価低減に対して、最終的には何%回答になっていますか?
●競合は最近、参入しましたか?
●工場の稼働率に鑑み、業界は供給過多になっていますか?

 

これらはいずれもファクトを把握であり、そこに回答者の知見は(一義的には)介在しない。従って質問も全てクローズドクエスチョンになっている。ファクトはあくまでも過去の出来事であるが、結局のところ将来のことは過去のファクトからしか予想できないのである。もちろん過去から将来を予想するといっても、過去のトレンドをそのまま引き延ばすのではない。あくまでも過去の出来事を理解し、将来予想のドライバーとなる要因(特に先行指標になりうるもの)を見つけ、その最新の状況を把握するのである。

 

コンサルティングの基本はファクトベースである。将来予想をするときもあくまでファクトに立脚するべきである。