トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

Howを丸投げしない

スポンサーリンク

コンサルティングファームでプロジェクトをデリバーする際は、チームの役割は基本的にはパートナー、マネージャー、コンサルタントに分けられる。パートナーはプロジェクトの最終責任者でありプロジェクトの品質を担保する人である。マネージャーは実務の指揮し、コンサルタントは各ワークストリームの遂行が中心となる。

 

このような構成になっているため、全ての役割の人が集まる社内会議ではHowよりもWhat、つまりどうやって検証するか、よりも何を検証するか、言い換えると何が解くべき論点かを議論することが多い。このような論点に沿った議論に慣れていないジュニアなメンバーがHowの議論を持ち出すと、まずはWhatを議論しよう、といった風に言われることが多い。コンサルタントは実務を担当するため、どうしてもHowに捉われがちだが、それは実務でありそれよりもそもそも何を検証するべきか、論点は何かを合意するべきである、というのがその理屈である。もっと言えば、Howは実務でありそれを考えるのがコンサルタントに役割である、と。これは論点思考においては基本中の基本であるが、一方でこの原則にこだわりすぎると失敗すると私は強く思っている。

 

理由はHowそのものが難しいことが多々あるためである。実務の総指揮を執るマネージャーはもちろんのこと、品質を担保するパートナーであってもHowが難しければ、それを実務を担当するコンサルタントに丸投げしてはならない。Howを考えるのがコンサルタントの仕事だ、として自身はその検討に関与しないのは「実務の総指揮」をしていないことになるし「品質を担保」していないことになる。確かにHowよりもWhatの方が重要であることは変わらない。しかしWhatだけを解けばいい訳ではない。もしもHowが困難であるならば、マネージャーやパートナーは先回りをしその難易度を見切り、その上で積極的にHowの検討に参画しなければならないのである。つまり解き方を解かなければいけないのである。私の経験上、いわゆる炎上プロジェクトの理由の一つの類型として、Howをジュニアメンバーに丸投げしていることが挙げられる。またタチが悪いことにその炎上の理由をジュニアメンバーのせいにされてしまうことが(信じられない話だが)良くある。これをやるマネージャーやパートナーには私は強い憤りを覚える。経験の浅いコンサルタントであればいくら実務が仕事とはいえHowが分からないことがは良くあることであり、マネージャーも場合によってはパートナーもそれを助ける必要がある。特に難しいことが予見されるのであれば、予めHowのガイダンスも出さないと莫大な時間が成果に結びつかない無駄な仕事に使われることがある。実現不能なことを無理やり仮定に仮定を置いたり、労働時間で何とかしようとし、結果として全く使い物にならない成果物が出てくることも多々ある。それを未然に防ぐ必要がある。もちろんジュニアなコンサルタントもHowが分からなければ、早めにマネージャーなりパートナーに相談するべきである。

 

実務を直接担当しないマネージャーもパートナーもHowを丸投げしてはならないのである。