トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

一人前のコンサルタント

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以前にコンサルティングの仕事をアカウント、ピッチ、デリバリーの3段階に分けそれらは同等に価値がある、といった旨のエントリを書いた。これらは特にコンサルティングファームである程度の年数を過ごし、職位も上がってから特に感じるようになった。

 

ジュニア時代はプロジェクトのデリバリーの中核を担うマネージャーこそがコンサルティングの花形だと思っていたし、それこそがクライアントへの価値提供であると思っていた。確かに直接的に何らかの課題を解き、クライアントに対して価値を提供する上ではマネージャーの貢献が大きい。しかしこれはあくまでデリバリーの世界だけしか見えていない。

 

私自身、プロジェクトの有無に関係なくさまざまな形でクライアントと関わると、プロジェクトのデリバリーよりもむしろ何を解くべきかをクライアントと議論し設定するパートナーこそがアドバイザリーの花形と思うようになった。結局のところ、一旦解くべき課題が設定されてしまえば、その課題はプロジェクトのデリバリーを通じて解かれるのであり、解けて当然なのである。もちろん現実的にはデリバリーは大変だし困難さを伴うしたまには失敗することもあるが、原則として課題さえ設定されればそれは解かれる。(デリバリーに失敗し続けるとそのコンサルタントはやがて職を失うだろう。)クライアントである経営者にとっては、戦局を見ながらある戦場に傭兵を投入するようなもので、投入すれば一定の成果は得られるのである。もしも成果が出ないとしたら、①傭兵が無能だった、②戦果が挙がらない場所に兵力を投入した、のどちらかである。前者はデリバリーの問題であり、後者はピッチ(という単語は商業的で好きではないが)の時にクライアントと議論する課題設定の問題である。そしてこれを行うのがパートナーの仕事である。(もちろんデリバリーの最終責任もパートナーが持っているが一定程度はマネージャーに委任する。)それこそがアドバイザリーにおいて重要である。

 

しかし正しい課題設定をできるようになれたとしてもそれはまだ経営コンサルティングとしては半人前である。経営者と信頼関係を築き特定のテーマの課題設定だけで、幅広い(場合によっては個人的なことも含め)相談されるようになって初めて一人前と言える。これは一般的にシニアパートナーが担う役割である。ここまでできて初めて一人前の経営コンサルタントといえるだろう。