トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

クビに関して

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外資系はクビになる、と言われる。実際に周囲を見てもIBDや戦略コンサルティングファームでクビになった(と思われる)人はいないことはない。しかし恐らく一般に思われているよりもはるかに少ないし、またクビになったとしてもその後、キャリア的には「成功」(この言葉は好きではないし、また定義が非常に曖昧なためカッコ付き)している人が多い。特にジュニアなうちは心配しなくても問題ないと思っている。本エントリではクビに関する実態と自分なりの考えを述べていきたい。なお、以下では特に明記しなければ外資系戦略コンサルティングファームを念頭に置きながら書いていく。(加えて外資投資銀行IBDについても一部述べていく。)

 

そもそも現実問題としてどのくらいクビになるのか。戦略コンサルであればノンパートナーであれば殆どないというのが実感である。おそらく20人に1人も居ないと思われる。クビになるのはファームにもよるが基本的に査定で複数回にわたってパフォーマンスが悪く何回も警告を受けたが、それでも状況が上向かないような場合である。ただしこれは厳密にクビを言い渡された場合である。人によってはパフォーマンスがじわじわと落ちていき、このままだといずれクビになりそうなためあらかじめ自主的に辞めるというパターンもある。ただそのようなパターンも大多数ではない。感覚としては退職する人を100とすると、パフォーマンスに関係なく本当に心の底から他にやりたいことが見つかったという積極的退職が60人、20人はパフォーマンスは普通だが本人も周囲からも仕事にあまり合っていないことが明らかで辞めていくというやや消極的なパターンが25人、パフォーマンスが悪くこのままだと今すぐにではないにせよ中期的にはクビになりそうで先に辞めるパターンが10人、クビになる人が5人といった割合だと思われる。

 

ただパフォーマンスが悪い人も中には純粋に本人の能力(適性)に起因している場合もあるが、多くの場合はどちらかというと仕事に面白さを感じられずにモチベーションが低いことに起因していることが多いように見える。平たくいえばやる気のない人である。違う見方をすればモチベーションがあり、真摯に仕事に取り組めばよほどのことがない限りクビになることはないとも言える。つまりクビになるかどうかは(制御不能な要素がある)能力・適性ではなく、制御可能なやる気という本人の問題なのである。そして一流大学を卒業した人の中からそれなりに難関の面接をくぐり抜けて採用された人たちで能力的に足りないことは殆どない。クビになるのは、働き始めて一年、二年と経つうちに当初のモチベーションが霧散し、やる気がなくなった人たちが大半なのである。真摯に取り組んでいればクビになることは(まず)ないのであり、クビを恐れる必要はない。シニアになっても基本的には変わらないが、パフォーマンスに対する要求は当然ながら厳しくはなるし、パフォーマンスも測りやすくなる。

 

なお戦略コンサルでは会社の業績が悪くてクビになることはない(と認識している)。いきなり人事部から呼び出されてクビになるということはない。あくまで本人のパフォーマンスの理由である。そもそもジュニアの人件費なんてたかが知れていて、クビにしても殆ど財務的な影響はない。採用や教育にかけたコストを考えると会社としては極力長くいて欲しいのである。これが外資IBDの場合は少し状況が異なる。業績が悪くなると機械的に人員削減の人数が本社から各部門に通達されシニアからジュニアまで突然クビにすることがある。この場合は文字通り当日にセキュリティカードを取り上げられるパターンである。ただこの場合も結局のところ対象になる人はパフォーマンス下位20%くらいの人たちであり、真面目に取り組んでいれば(リーマンショック級のことが起きない限り)まず対象になることはない。またクビになる場合もそれなりに魅力的な退職パッケージが用意されるので、もともと長くいようと思っていなかった人にむしろ「美味しい」場合すらある。

 

またクビになった人たちもその後を見ているとそれなりに幸せそうな人が多い。転職先はプロフェッショナルファームに進む人は流石に少ないが基本的には他の人たちと大きくは差がないし、もともと本人にとって合わない中で無理やり仕事をしていた場合が多いので転職をして充実し、またパフォーマンスが高そうな人も少なくない。(IBDの場合は同じくらいの給与水準の場所が少ないこともあり、同業他社が多い。中には3社からクビになっているがまだ業界にいる「猛者」もいる。)

 

長々と書いたが要する真摯に取り組んでいればプロフェッショナルファームでクビになることはないのでそれを恐れる必要はないのである。