トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

命令と依頼

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頭脳労働では自主性が大事だと私は信じている。つまり頭脳労働者が「これはやらなければならない」という問題意識を持って仕事をしないといけないと思っている。特段の問題意識がなく誰かに指示(命令)されて行ったやっつけ仕事の成果物は大抵使い物にならないのである。これは頭脳労働の特徴だと思っている。ベルトコンベアに乗って流されてきたものに対して単純な作業をするような仕事であれば単純な作業指示だけで実行できるかもしれないが、仕事内容が高度化すればするほど仕事の切り分けができなくなり統合的な視点が必要となってくる。すると単純な指示はできなくなり、細かな作業を指示をするのではなく目的(と大まかな作業方針)を伝え、作業設計は担当者に任せざるを得なくなってくる。(なお、トヨタ生産方式カイゼンは労働者が知恵を出して継続的な改善を行うことが想定されているため、いわゆるブルーカラーの仕事であっても自主性は必要であるが、それは本論からそれるため割愛。)

そのためコンサルティングプロジェクトにおいて、あるいはより広く頭脳労働において、シニアな立場になり仕事をよりジュニアなメンバーに任せるときは、これを強く意識する必要がある。決して指示(命令)するのではなく、なぜこの仕事が必要かを伝え、本人が納得したら次に仕事の目標を合意し、最後に作業の大まかな方針をすり合わせる必要がある。これは(作業に限りなく近い)どんなに細かい仕事であってもこの原則は踏襲するべきだと思っている。マネージャーの役割は担当者に納得してもらうことが必要なのである。

 

私自身、必ず納得して貰うまで必要性の説明はするように心がけているし、もし議論してどうしても納得されないなら自分で引き取るか、あるいは納得している他の人にお願いすることにしている。納得しないまま仕事を無理やり依頼したところで、やっつけ仕事の使い物にならないものしか出てこないからである。これは常に心掛けているため、"If I were you, I would do like this"(自分だったらこういう風にするけれどね)、というフレーズをよく使う(最近ジュニアなメンバーからそのように指摘された)。

 

頭脳労働においてはジュニアなメンバーに仕事を依頼するときは必ず必要性を目的を納得してもらう必要がある。もしも納得なしに命令しているようなら、それはマネージャーの怠慢を意味するのである。